過去の成功体験は捨てロングセラー育成に転換--資生堂社長 末川久幸

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──既存販路の顧客がネットに流れ出るという懸念はありませんか。

店舗とネットの二つの販路を構えることで、顧客層が広がると考えている。将来的には流通の構造も変わっていく。化粧品専門店の経営者は高齢化が進んでいて、すべての店舗に後継者がいるという保証もない。当社の美容部員も今のような1万人体制ではなくなるだろう。費用の中で最も多くを占める人件費についても効率化が進むことになる。

広告宣伝に関しても、Webやフェイスブック、ツイッターなどへの投資を毎年倍増させている。ツイッターなどSNSは情報の拡散が速く、反響の大きなメディア。ただ、間違った方向に行くと逆効果になる。どういう情報を出せば価値を伝えられるか研究中だ。


すえかわ・ひさゆき
1959年生まれ。国際商科大学卒、82年に資生堂入社。前田新造・前社長の片腕として2008年から経営企画部長を務め、11年4月に52歳で社長に就任。祖父は資生堂専務、父母も資生堂社員。


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(聞き手:大滝俊一週刊東洋経済編集長、島田知穂 撮影:吉野純治 =週刊東洋経済2011年9月10日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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