がんの究極薬が開く、新しい治療法の可能性 新薬「オプジーボ」はいかに生まれたのか

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――オプジーボがなかったら…。

もう、考えただけで……。オプジーボがないというのは、当面自社創製の新薬が出ないということ。売り上げは他社からの導入品を一生懸命取ってきて、なんとか横ばい程度で維持できますが、利益率はどんどん落ちます。困るのは、やりたい投資ができなくなること。そういうシナリオに至っていたリスクもあったかもしれませんが、幸いオプジーボが出たので、出なかったことは考えずに、出たものをいかに大きく育てるかに専念します。

新薬の創製は成功確率が落ちている

――オプジーボが昨年発売されるまで、自社創製の新薬が12年途絶えていました。

言い訳をしますと、新薬の創製は非常に成功確率が落ちてきています。手の届くところは薬が出てしまって、難しいところが残っています。1つの会社には成功が続く時期があれば失敗が続く時期もあって、やむをえないというのが半分ある。

週刊東洋経済7月18日号(13日発売)の特集は『クスリ最前線~大型新薬の嘘と本当』です。超高齢化、グローバル化で激変するクスリの世界を全42ページで徹底分析。上の画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

しかし、それは回避しなければならないことです。プロスタグランジンで成功を続けて、世界初という新薬を十数個出し、業績はよくなりましたが、外の世界最高水準の知見や技術を学ぶ姿勢が少しおろそかになっていたのではないかという反省があります。

――今後新薬を継続して出していくために、どんな取り組みをしていきますか。

小野薬品がもともと得意だったオープンイノベーションを1からスタートすると決めました。米国に7人、ヨーロッパに3人くらいの研究員を配置し、日本にも同様のチームを置いて、世界中の大学、研究所やバイオベンチャーをぐるぐるリサーチさせています。これはおそらく中堅企業ではうちだけで、大手並みの布陣だと思います。

今はまだ1ケタですが、将来は数十人の小野薬品の研究員が外で学び、学んだことを持ち帰って小野薬品の研究所の中で頑張り、次の研究員がまた外に行くという循環を作りたい。そうやって新薬を生み出し、2030年に訪れるオプジーボの特許切れの影響を緩和したいと考えています。

長谷川 愛 東洋経済 記者
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