「私も一緒に辞めようかな」7年目アイドルの本音 「先輩が引退して…」残った町村かなの覚悟

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そんな町村も毎日のようにライブをこなし、彩瀬の背中を必死に追いつづけ、コロナ禍も必死に耐え抜き、気がつけば6年という月日が流れていた。

もはやライブアイドルとしては中堅であり、同じ事務所でも多くの後輩ができていた。

「はわ~~~! 私が先輩だなんてそんな! そんな!」

独特の言い回しで謙遜しているが、6年間も彩瀬の隣でライブをこなしてきたその実力は確かなものであり、日々の努力と自己犠牲を払ってきているからに他ならない。

今度は、町村が多くの後輩に、その背中で語る番だろう。

周囲が再認識し始めた「町村のアイドル力」

そして彩瀬が引退した今、ひとりスポットライトを浴びた町村の魅力に周囲が気がつきはじめてきた。

言うなれば“縁の下の力持ち”的な役回りから外れ、また周囲もそういった見方をしなくなったがゆえに、町村本来のアイドルとしての魅力、言わば「アイドル力」が再発見されてきていると言っていいだろう。

「今はもう辞めようとか思っていません。千聖さんと作ってきた伝統を守りつつ、また新しいメンバーを迎えて新しいTJをみんなに見てもらって楽しんでもらいたいと思います」

これまでと同じ曲を歌っても、きっとそれはまったく別のもので、またファンの人たちと新しいTJの物語を紡いでいくに違いない。

彩瀬が引退ライブで見た景色を、町村も何年かあとに見ることになるだろうか。

大きな存在を失ったと同時に、自らの魅力が再発見されるというアイドルとしての歴史を紡いだ町村かな。

これからの彼女の進化と新たなTJに期待せずにはいられない。

*この記事の前半:「"自己犠牲"多いアイドルを10年」引退後の本音

町村かな、彩瀬千聖
町村かな(写真右)はTJの新しい形を見せてくれるだろう(撮影:冠野 亮太)
松原 大輔 編集者・ライター

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まつばら・だいすけ / Daisuke Matsubara

富山県出身。編集者・ライター・YouTubeプロデューサー。中央大学法学部卒。在学中より故・永谷修氏に師事。大学卒業後、講談社生活文化局にて編集見習いとなる。その後、文藝春秋『Sports Graphic Number』編集部などで編集者・記者を経て、2018年に独立。書籍の企画、編集や執筆活動、YouTubeの動画制作・プロデュース、アーティストマネジメントなどを行っている。

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