ノアとヴォクシー「微妙に違う」購入者の嗜好 新旧ノア/ヴォクの新車購入者データを分析

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「若々しい」「スポーティ」の2項目は、3代目のほうが4代目より特徴的に出ているが、これは3代目に設定されていた「煌(きらめき)」グレードによって形成されたイメージかもしれない。

煌は初代より設定されてきた人気の特別仕様車。写真は3代目ヴォクシー ZS“煌 Ⅲ”(写真:トヨタ自動車)
煌は初代より設定されてきた人気の特別仕様車。写真は3代目ヴォクシー ZS“煌 Ⅲ”(写真:トヨタ自動車)

最後に、ノア/ヴォクシー購入者の人となりを理解するため、「生活・消費に対する考え方」から特徴を見てみよう。中でも、3代目と4代目とで傾向に差が出た3つの項目をピックアップする。

いずれも、項目に対して「あてはまる」「ややあてはまる」「あまりあてはまらない」「あてはまらない」の4つの選択肢から「あてはまる」+「ややあてはまる」と回答した人の割合だ。

「生活を楽しくするためにはお金や時間を惜しまない」「新しい商品・サービスも積極的に取り入れている」「自分を向上させるために時間やお金を使っている」の3項目において、4代目ヴォクシーユーザーのスコアが高く、消費に対して積極的である傾向が強い。

発売当初に物議を醸した巨大なグリルは、結果的にこだわりのある人に選ばれているようだ(写真:トヨタ自動車)
発売当初に物議を醸した巨大なグリルは、結果的にこだわりのある人に選ばれているようだ(写真:トヨタ自動車)

ひとつ前に確認したイメージに関するデータで、ヴォクシーのほうがノアよりも見た目や雰囲気を重視して選ばれていることがわかった。このあたりからも、ヴォクシー購入者の「好きなものへの消費を惜しまない傾向」が共通点として見えてくる。また、新型でその傾向がより明確になっていることがわかる。

確立されたノア/ヴォクシーの牙城

ここまでノアとヴォクシーの特徴を、2車の比較および3代目と4代目の比較を通して見てきた。

2022年に現行モデルが登場したときは、ノア/ヴォクシーともにフロントマスクの印象を大きく変えたため、そのデザインに注目が集まったが、発売後は順調に台数を伸ばしている。

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日産「セレナ」やホンダ「ステップワゴン」が競合として存在するが、ノア/ヴォクシー購入者はあまりそのあたりの車種を比較検討していない。一方で、セレナやステップワゴン購入者の多くはノア/ヴォクシーを多少なりとも検討している。トヨタのミニバンの牙城はこの先も簡単には崩れそうにない。

【写真】改めて見てみたい「ノア/ヴォクシー」強さの理由(70枚以上)
三浦 太郎 インテージ シニア・リサーチャー

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みうら たろう / Taro Miura

北海道大学大学院理学院卒業後、インテージ入社。自動車業界におけるマーケティング課題の解決を専門とし、国内最大規模の自動車に関するパネル調査「Car-kit®」の企画~運用全般に従事。

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