05年から1万人超削減--終わりなきリストラ、富士フイルムの執念
第2弾は09年度から10年度にかけて実施。08年末に世界同時不況が襲い掛かり、またしても業績低迷に見舞われたためだ。ここでも前回同様に、間接部門や研究開発部門などの人員約5000人を減らした。写真現像所拠点もさらに集約した。
業績低迷→構造改革実施に伴う関連費用計上で利益低下→リストラ効果発現による業績回復--。
富士フイルムはここ数年、このサイクルを繰り返してきた。今11年度についても、一連の改革効果で売上高2兆3400億円(前期比5・5%増)、営業利益1600億円(同17・4%増)に復調すると会社は描く。
ただ、アップダウンが目まぐるしい“ジェットコースター”業績を今後繰り返すわけにはいかない。業績回復歩調でも断行する、今回の光学デバイス事業のリストラは、安定成長への固い決意の表れである。
リストラと軌を一にして、事業構造の転換も図ってきた。
10年前は写真フィルムを主力とする「イメージング事業」が売上高の50%超を占めたが、現在はわずか15%程度。代わって、医薬品・化粧品や液晶フィルムを軸とする「インフォメーション事業」と、01年に連結化した富士ゼロックスが展開する複合機など「ドキュメント事業」が2本柱として支えている。