BMWが誇る「M」を冠するスーパーバイクの実力 雨の「もてぎ」で元GPライダー先導で試乗した

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ストレート・エンドでは、ライダーの負担を低減させるために採用されたハイ・ウィンドシールドの背後にヘルメットを埋め、カーボンパネルをまとったタンクの上に身を伏せる。

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勢いを増す雨の中でデジタルメーターが時速180キロメートルに達するのを、まるで居間のテレビを見るような気分で眺められたのは、整然と回るM特製エンジンとMウィングレットが生み出すダウンフォース、そしてMカーボン・ホイールによるバネ下軽量化の恩恵など、さまざまな技術が融合した成果だろう。

白状しなければならないのは、この速度でも2速のトップエンドには達しなかったために、212馬力の境地を見ることができなかったことだ。ただ、トップエンドでさらにホップするような気配は感じられず、とにかく高トルクを最後まで出し切るというスタイルだと想像する。

カウルは備えないが扱いやすいロードスター・タイプのM 1000 Rだが210馬力を発揮(写真:BMWジャパン)

扱いやすいモンスターマシン

最後に走らせたM 1000 Rは、フェアリングを持たないロードスター・スタイルだ。コンパクトなピュアスポーツのフレームをベースにアップハンドルが与えられ、RRに比べてシート高も低いため、格段に扱いやすく感じられた。

標準型なら車両本体価格も271万7000円〜、秘めたるパフォーマンスとBMW Mのブランド力に比べれば納得できる水準だ。210馬力のモンスターをカジュアルに乗りこなすのも悪くない。

M 1000 RRと筆者(写真:BMWジャパン)

1978年に放たれたスーパースポーツ「M1」以来、「M」はBMWの価値観をそのままに、周囲の期待を常に上回る性能とクオリティを届け続けてきた。それを生み出す骨太な情熱と誠実さが、これからはBMWモトラッドにも注がれるとすれば、将来の展開が楽しみでならない。レーサーとして先鋭性を極めたRR以外に、RやXRというバリエーションを投入してくれたことを、特に歓迎したい。

田中 誠司 PRストラテジスト、ポーリクロム代表取締役、PARCFERME編集長

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たなか せいじ / Seiji Tanaka

自動車雑誌『カーグラフィック』編集長、BMW Japan広報部長、UNIQLOグローバルPRマネジャー等を歴任。1975年生まれ。筑波大学基礎工学類卒業。近著に「奥山清行 デザイン全史」(新潮社)。モノ文化を伝えるマルチメディア「PARCFERME」編集長を務める。

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