BMWが誇る「M」を冠するスーパーバイクの実力 雨の「もてぎ」で元GPライダー先導で試乗した

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

さらに「RR」のエンジンは、BMWベルリン工場でほかの2輪車用エンジンとは別のラインで組み立てられ、主要な部品の重量を緻密に計測してバランスさせることで超高回転の常用に耐える品質を実現している。エンジンの分解整備を通常より短い3万kmで実施することも求めている。

BMWモトラッド・ジャパンの平野司テクニカル・マネジャーは、「M 1000 RRは基本的な性能が極めて高く、マフラーや足回りの設定をレース専用に変更するだけでスーパーバイク・レースに出場できるだけの性能を備えており、レース用パーツの供給体制も万全です。ヨーロッパを中心に各国の選手権で活躍の場を拡大しています」と説明する。

Sシリーズをさらに高性能化

BMWのハイパフォーマンス2輪には「Sシリーズ」もある。Mは、そのSと比べてもすべてのモデルでエンジンの高出力化が図られており、対応する形でブレーキを強化、足回りの設定変更もなされている。

加えて、エンジンの上部前方には「Mウィングレット」という空力パーツが付与されている。F1などの箱型リアウィングをバイクの側方に据え付けたといえばわかりやすいかもしれない。車体の前方を、高速になるほど地面に押し付けることで操縦安定性を高めようという試みだ。

M 1000 XRのMウィングレットは高速走行でダウンフォースを生み出し、操縦安定性を高める(筆者撮影)

M 1000 XRでは、時速280キロメートルにおいて18.5キログラム、時速160キロメートルでも6.0キログラムのダウンフォースが得られるという。Mウィングレットによって荷重バランスが修正されることで、後輪の負荷が低減されて加速力も実質的に高まるという。

標準型のMシリーズはライト・ホワイトをベースとするMトリコロールに彩られているが、オプションの「Mコンペティション・パッケージ」では、カウルや前後フェンダー、チェーンカバー、タンクカバーなど随所にカーボン製パーツがあしらわれる。ボディカラーもブラックストーム・メタリックに変更され、前後のホイールも1輪あたり1.6キログラム軽いカーボン製になる。

次ページ大雨のサーキット試乗で触れた「M」の実力
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事