日本の常識が通じない小池都知事「学歴詐称疑惑」 黒木亮氏「書類に頼りすぎ。エジプトは違う」

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――カイロ大声明文を小池氏らが自ら作ったとしても、大使館のFacebookに載せるにはエジプト大使館関係者の協力が必要です。

そこに大きな問題があります。日本の選挙に外国の干渉を招いたことになるのです。それと、学業の実態がないのにカイロ大学が卒業資格を認めていることは、利益供与にあたります。学歴詐称をめぐる政治的問題はこの2点です。

書類は要求すれば出てくる

――小池氏は6月20日告示の東京都知事選に、3選を目指して立候補すると目されています。記録改ざんの証明が難しいとなると白黒つけられず、各種の証言と、大学の証明を並べて有権者が判断せざるをえないように思えます。

いや、白黒つけなければならないでしょう。卒業に必要だった卒業論文を書いておらず、進級試験には落ちている。卒業に足る学業の実態を証明するものはなく、「実態がない」という指摘に対して、小池氏は反論していません。

疑惑を明らかにするため小池氏に卒業を証明する書類の提出を求めようとする人たちがいますが、「出せと言えば、カイロ大学やエジプト政府は何でも作って出してきますよ」と僕は忠告しています。そういう人たちは、エジプトのことを知らないのです。日本の感覚で、「書類」というものに頼りすぎています。

今後、有権者の賢明な判断に期待したいとは思いますが、知事の座にあり続けるのなら、最終的には刑事あるいは民事の裁判で決着をつけるしかないと思っています。

――カイロ大声明文について告発した小島氏は、小池氏が立候補した段階で学歴詐称による公職選挙法違反が成立するとして、刑事告発する準備を行っているそうです。ただ、日本では司法も書類の証拠能力を重視する傾向が強いのでは。

小池氏はそれに期待しているのでしょう。しかし、日本は国家として、学業の実態がないのに金やコネで得た学位であったとしても、学歴として認めるのでしょうか。

もちろん、実態がなかったことは十分に証明されなければなりませんが、小池氏については、進級試験で落第し、卒業できずに帰国したことについて、同居していた北原さんの証言は手紙などの証拠にもとづいています。立証には僕も協力するつもりです。

黒崎 亜弓 東洋経済 記者

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くろさき あゆみ / Ayumi Kurosaki

特に関心のあるテーマは分配と再分配、貨幣、経済史。趣味は鉄道の旅、本屋や図書館にゆくこと。1978年生まれ。共同通信記者(福岡・佐賀・徳島)、『週刊エコノミスト』編集者、フリーランスを経て2023年に現職。静岡のお茶屋の娘なのに最近はコーヒーばかり。

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