カワサキ「Z7ハイブリッド」バイク電動化の未来 発売目前の新型バイクから電動化戦略を考える

拡大
縮小
e-ブースト使用時のメーター表示
e-ブースト使用時のメーター表示(写真:カワサキモータースジャパン)

さらに、スポーツ-ハイブリッドで走行する際には、瞬時の加速を要するときなどに5秒間使用できる「e-ブースト(e-boost)」というモードも使える。これは、600ccクラスの車体ながら、200PSの1000ccスーパースポーツ並みの加速性能を発揮するというもの。例えば、高速道路などで、本線への合流車線を走る際や、前車を追い越す時など、鋭い加速が必要な場合に便利な機能といえるだろう。

ほかにも、駐輪場などで、車体を押し歩きする際などに便利な「ウォークモード」も設定。200kgを超える比較的重い車体を、取りまわしするのが苦手なライダーなどにはありがたい機能だ。しかも、後進機能付きだから、せまい場所へ駐輪するときなど、車体を押しながら前進やバックを繰り返すシーンで役立ちそうだ。

カワサキの電動化戦略

Z7ハイブリッドのサイドシルエット
Z7ハイブリッドのサイドシルエット(写真:カワサキモータースジャパン)

気になる価格だが、Z7ハイブリッドは、税込み184万8000円(ニンジャ7ハイブリッドも同価格)。車格が近い600ccクラスのZ650が101万2000円だから、80万円以上高い設定だ。この価格差で、先述したようなハイブリッド車ならではの走行性能に、ユーザーが価値を見いだすかは非常に興味深いところだ。筆者的には、とくにe-ブーストは気になるところ。5秒間の限定とはいえ、1000ccのハイパワーモデルと同等の加速感を体感できるというのは面白い。

EVモードのメーター表示
EVモードのメーター表示(写真:カワサキモータースジャパン)

また、例えば、早朝や深夜に住宅街を走るようなシーンでは、静かに走ることのできるEVモードを使えば、気を使わずに済むといった利点もあるだろう。ただし、それにプラス80万円を出すのかは微妙ではないだろうか。もっとも、4輪車でもそうだったように、バイクでも、今後ハイブリッド車の販売台数が伸びてくれば、価格的にも抑えられる可能性はあるだろうが。

ちなみにカワサキでは、こうしたハイブリッドモデルだけでなく、100%電気とモーターで走る原付二種バイク相当のBEVモデル「ニンジャ e-1」と「Z e-1」も国内導入。2024年1月13日より発売しており、フルカウルのニンジャ e-1が106万7000円、ネイキッドのZ e-1が101万2000円となっている。

次ページクルマのようにバイクでもハイブリッド車やBEVに注目が集まる
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
【動物研究家】パンク町田に密着し、知られざる一面に迫る
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
広告収入減に株主の圧力増大、テレビ局が直面する生存競争
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
現実味が増す「トランプ再選」、政策や外交に起こりうる変化
【田内学×白川尚史】借金は悪いもの?金融の本質を突く教育とは
【田内学×白川尚史】借金は悪いもの?金融の本質を突く教育とは
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT