ドワンゴは、だから採算度外視で将棋をやる

人類とコンピュータの勝負は新たな段階へ

今回は参戦しない、渡辺明棋王(2013年撮影:尾形文繁)

だが、今回はドワンゴが棋戦を主催することでその問題を解決した。

「竜王」や「名人」をはじめ7つあるタイトルの保持者は、名人、王位、王座、棋聖を保持する羽生善治四冠、糸谷竜王、渡辺明棋王、そして郷田王将の4人がいる。

今回の叡王戦には羽生四冠と渡辺棋王はエントリーしなかったものの、前述のとおり糸谷竜王と郷田王将の参加が決定。両者のどちらかが優勝すれば、タイトルホルダーと最強コンピュータの夢の一騎打ちが実現する。

人間の能力も素晴らしい

2012年から旧・電王戦を始めたのは、人間とコンピュータの違いは何なのか、人間の知的能力を凌駕しつつあるコンピュータに人間はどのように対峙すればいいのかといったことを明らかにする目的があった。

「コンピュータの時代が来るときに、これからどうなるかを世の中に教えてあげようと、若干上から目線のおごった気持ちがあったが、電王戦をやり始めて、たとえばコンピュータに負けた人間が、これほどまでに人を感動させることがあるのかという場面がいくつもあった」(川上会長)。

将棋連盟の青野照市・専務理事も「この3年間で、われわれはプログラマーの人たちの努力と同時に、人間の持つ能力、感性、大局観が、素晴らしいことも証明できたのではないかなと思う」と、人が持つ底力は想像以上に大きいことを感じたようだ。

いくつものドラマを生み出してきた人間対コンピュータの真剣勝負。来春はどんな名勝負が繰り広げられるのか。ドワンゴや将棋連盟、棋士、コンピュータ、それぞれの挑戦は、新たなステージに突入する。

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