星野リゾート「観光列車」車内料理の豪華に仰天 青い森鉄道が運行「酒のあで雪見列車」に乗車
庄司さんによれば昨年はカニ尽くし料理で、カニの甲羅にお酒を入れて飲むなどの趣向だった。日本酒ではなく地ビールを出した年もあるという。料理やお酒は、参加者の意見を聞いたり、反応を見たりして、毎年変えている。
さらに「酒のあで雪見列車」に乗車している青森屋のスタッフさんにも話を聞いた。2016年から運営にかかわっている増山重男さんと、今回の企画に参加した下村漣菜さんだ。
――初年度から現在までで、何か変化はありますか。
毎年違う内容を行っています。開催当初はいろいろと手間取りましたが、回数を重ねるごとにスムーズになり、スタッフの成長を感じています。お囃子は当初は青森屋のスタッフがやっていましたが、今年からプロの方になりました。
――野辺地駅での停車はなぜですか。また往復乗車券なのはなぜですか。
野辺地駅は降雪量も多く、ご乗車いただいた方々に青森の寒さを体験していただきたいという思いから停車の時間を設けております。また、以前はその時間を喫煙のお時間としてもご利用いただいておりました。乗車券は、当日青森屋に宿泊される人や、車で青森屋まで来られている地元の人が、戻られるために往復となっています。
――リピーターはいますか。
青森屋にご宿泊の予約を入れていただいた際に、ご案内を出しています。東京から5回参加された人もいます。
――外国人の乗客も見かけましたが、どうやってこの列車を知ったのでしょう。
海外からお越しになった人はSNSで知られることが多いようです。リピーターの方も1割ほどいらっしゃいます。
東京の企画をそのまま当てはめない
参加者の7〜8割はこのツアーに合わせて青森屋に宿泊しているが、「酒のあで雪見列車」は宿泊せず、一般としても申し込み可能だ。
最後に隣の席で楽しんでいた、大阪から来た男性客2人に乗った感想を聞いたら、次のような答えが返ってきた。
「たまたま出張でこちらに来る用事があり、土日を挟んでいたので、何か楽しそうな観光列車はないかと探して見つけました。宿は泊まったことありませんが、星野リゾートなら料理も間違いないだろうと信頼して乗車しました。またぜひ乗りたいです」
特にPRをしているわけではないのに、毎回すぐに席が埋まるという。東京の企画会社が考えた内容をそのまま地方に当てはめるのでなく、地元を知り、地元に根ざした宿がその役割を担う。それがこの企画列車の成功を導いたとも言える。冬以外の季節でも、という案や要望もあるそうなので、今後にも期待したい。
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