採用面接で「優秀な人・そうでもない人」の見抜き方 応募者の適性を見分けるにはどうすればいいのか
そして、組織のリーダーは「夢」を語れることも重要です。利益や売上などの数字だけが目標では、部下やメンバーはなかなか付いてきません。リーダーが語る夢に共感し、同じ夢を抱けるどうか。これが組織のパフォーマンスを大きく左右します。自社の仕事を通じて叶えたい夢についても聞いてみてください。
採用すべきか悩む人材は、社長の判断に委ねる
以上が「リーダーシップのある人材」と「マネジメント力のある人材」を見分ける基本的な方法ですが、リーダーシップ人材に関しては、これだけで見極めるのは難しいかもしれません。
というのも、リーダーシップ人材は「非常識な人」に多く見られるタイプです。非常に癖が強く、個性的な言動をして、服装も変わっていたりします。一方、採用担当者は「常識人」であることが多いため、いわゆる「変わり者」については理解しにくく、どのように判断したらいいのか戸惑ってしまうのです。
実は常識にとらわれない超優秀な人材なのか、ただ単に常識に欠けたダメな人なのか…。この違いを見抜くのは、非常に困難です。たとえ超優秀な人材だったとしても、入社後に軋轢を起こすことも想定しておかなくてはなりません。
では、どうしたらいいのでしょうか? 採用すべきどうか迷ってしまう個性的な応募者に関しては、自分で判断せず、社長に会ってもらいましょう。経営者は、そもそもリーダーシップ人材だったりします。「非常識な人」を見抜けるのは、同じ「非常識な人」だけかもしれません。社長の判断に委ねるのが最善策です。
私は前職で採用担当をしていたとき、新卒を20人採るとしたら4人ぐらいは社長に相談して「非常識な人」を採用するよう心がけていました。成功率は、50%くらい。やはりリスクは高いので、そういう人を採用しようと思ったら、「こいつと心中してもいいや」と思えるぐらいの覚悟が必要になります。
しかし異端をすべて排除して、出る杭を抜いていたら、画期的な事業を生み出したり、世の中を変えることなんてできません。「自分には見抜けない」と思ったら「ごめんなさい、どっちに転ぶかわかりません」と言って社長に会ってもらって、採るかどうかの決断をしてもらいましょう。
私が採用したリーダーシップ人材も、半分くらいはやっぱり凄い人たちでした。その後、社長や役員になって活躍しています。独立して起業するケースも多いですが、業務委託や副業という形で関わってもらうこともできます。
今はもう「定年まで正社員として働いてもらう」という考え方ではなく、「○年いてもらえばいいや」くらいに思って、そういう凄い人たちと「ご縁をつくっていく」という発想でもいいのではないでしょうか。
優秀な人材であればあるほど辞める確率は高くなりますが、他社では通用しない辞めなさそうな人材を採るのはそれ以上のリスクです。安定期における「リーダーシップ:マネジメント比率」は、上級マネージャークラスだと「2:8」とされます。2割ぐらいは思い切った賭けをしてみることをおすすめします。
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