採用面接で「優秀な人・そうでもない人」の見抜き方 応募者の適性を見分けるにはどうすればいいのか
逆に、自身の経験をうまく話すことができない人や、抽象的な答えしか返ってこない人は、マネジメントに適していない、と判断していいでしょう。
タスクマネジメントもヒューマンマネジメントも「人に伝える」ことが重要な仕事なので、一定のコミュニケーションスキルは不可欠です。自身が経験したことを簡潔にまとめ、3〜5分くらいでわかりやすく話すことができるか、それが興味深い話として聞けるか、といったポイントにも注目してみてください。
また、「人を育てるのは好きですか?」と聞かれて「好きです」と答える人ほど、実はヒューマンマネジメントが得意ではないケースが多く見られます。人はなかなか育ちません。実際に部下やメンバーを育てた経験があり、その難しさを実感している人は、簡単に「好き」とは言えないはずです。
「とても得意とは言えません。何とかしたいと思っているんですけど、なかなかうまくいかないですね」などと言いながらも、人材育成の経験についてイキイキと話せる人のほうがヒューマンマネジメント人材として期待できます。
タスクマネジメントにしてもヒューマンマネジメントにしても、自身の得意・不得意を客観的に見極めているかどうか。これも大事なポイントです。
リーダーシップ人材の見抜き方
リーダーシップに関しても、基本的にはマネジメントと同じく「具体的な経験」を掘り下げて聞いていくのがいいでしょう。新規事業や業務の大改革など、以下の例のように実際にやったことについて質問してみてください。
「あなたが新しく始めてうまくいったことや大きく変えたことは何ですか?」
「うまくいかなかったことは何ですか?」
「新しいことや変革をするときに、どうやって人を巻き込みましたか?」
「周囲の人たちを同じ方向に向けるには何が必要ですか?」
「当社で新しい事業を起こすとしたら、どんなことが考えられますか?」
「あなたの夢は何ですか?」
ぜひとも聞いておきたいのは、上記の質問にあるような「周りを巻き込む力」の有無です。新規事業も業務の大改革も1人ではできません。部下やメンバーに仕事の意味や目的を伝え、モチベーションを高め、チームを活性化できる「動機づけ」のスキルがリーダーには不可欠です。その経験やノウハウを聞くことによって、リーダーシップ人材としての適性が判断しやすくなります。
また、自社の事業について伝え、新しい事業を起こすとしたらどんなことが考えられるのか、3つくらいアイデアを出してもらうといいでしょう。「〇〇もあるし、△△もあるし、□□というのも考えられますね」と、どんどん新しいアイデアが出てくるような人なら、リーダーシップ人材として期待が持てます。