「死にいたる事も」意外と知らない歯周病の"怖さ" なぜ歯周病菌は普通の歯磨きでは死なないのか

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また、食事などで血液中の糖が多くなると、インスリンという物質を放出し、血液中の糖を取り込み、エネルギーへと変えてくれるのですが、炎症性サイトカインはインスリンの働きを妨げる作用を持っています。

こうして、血液中の糖が減りづらくなり、血糖値が高くなってしまうことで、糖尿病と診断される可能性が出るのです。

また、糖が血液に残ることにより血液がドロドロになります。免疫細胞もドロドロの血液の中で動きが鈍くなり、免疫力が低下します。

歯周炎が慢性化し、炎症性サイトカインが放出され続けることで、体内のインスリンの働きも妨げられ続け、それが結果的に糖尿病へとつながってしまうのです。

高血糖がもたらす悪影響

高血糖の状態が続いてしまうと、数多くの悪影響が生じます。

代表的なところでは、体の末端の血管が機能せず、四肢のしびれやまひなどにつながるというもの。末端だけでなく、主要な血管にもダメージを与えてしまうため、心筋梗塞や脳梗塞など、血管事故といわれる症状も引き起こしやすくなってしまいます。

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体というのは1つの臓器が独立して動いているわけではなく、すべてが連動して動き、体を健康に保っているのです。

歯周病はその名の通り、歯の周りの歯肉で起こっている炎症です。しかし、ここで起こった異常でも、放って置くとやがてその影響は体全体に広がり、さまざまな病気を引き起こすきっかけになってしまうのです。

多くの健康情報が世にあふれ、多くの人が健康に留意した生活を送っています。これはとても素晴らしいことですが、健康に生きるのならば、虫歯菌、歯周病菌の除去は絶対に行わなければいけません。

ご自身の健康のためにも、今までの健康意識に、もう1つ歯磨きのアップデートをしていきましょう。

(『おとなの歯磨き』より)
伊東 材祐 訪問歯科医師・医療法人理事長

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いとう さいゆう / Saiyu Ito

大学病院付属の特殊機関で歯周病、かみ合わせ、最先端の義歯治療、歯内療法、オーラルリハビリテーションなどの先進医療を一流の歯科医師陣に学び、在宅医療を専門とする歯科医院を開設。累計7万回以上の訪問診療に従事し、専門的口腔ケアの向上を推進している。診療外で1700名以上のお口の相談にのり、累計受講者8000名以上の口腔ケアセミナーの講師を務める。エビデンスのある医学的理論と数多の高齢者の何十年もの実体験、真実に基づいた「絶対に虫歯にも歯周病にもならない方法」を提唱。

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