「著名人の詐欺広告」で問われる"無料ネット社会" 生成AIが生み出すコンテンツは著作権違反か
X(Twitter)についてもイーロン・マスク氏が有料化を示唆する投稿をした。すでにフィリピンとニュージーランドでは新規のみ月1USドルを徴収する制度を試行している。ボット対策として有効と考えている様子だ。なにしろ今のXはインプレゾンビ(閲覧回数を稼ぐために投稿を繰り返す迷惑アカウント)が徘徊するディストピアと化しつつある。有料化のような抜本的変更をしないと人が寄り付かない場になりかねない。
FacebookとXはこれまでのSNSの2大巨頭のような存在だ。その巨頭たちが有料化を始めたり検討したりしているのは、ネットという世界にパラダイムシフトが起きようとしている現れではないだろうか。
ネットは無料で自由な世界として受け止められていたと思う。そこには、単なるインフラを超えた思想めいたものもあった。旧世界より新しく、進んでいて、自由な社会がもう一つ別に存在しているように私も感じていた。その自由を裏で支えていたのが広告モデルだった。
新しいサイトやサービスを無料で立ち上げて、人が集まりさえすれば広告モデルで事業化できる。実際それでFacebookは大学生の出会い系ツールだったのが、世界の交流を支える一大インフラとなった。Xは見知らぬ人同士を趣味嗜好で結びつけコミュニティが自然に生まれるグローバルな広場となった。
広告モデルがある無料サービスだから、つながることができ、ビジネスをアイデアひとつで生むこともできた。広告から支えられた自由を、広告がいま侵そうとしている。
生成AIが生み出すコンテンツは著作権違反か
詐欺広告は「犯罪」なのでわかりやすい。だが記事(ネット広告を荒らす「悪意」に社会は勝てるのか)で説明したMFA(広告目的のサイト)などの得体の知れないサイトが広告収入を収奪することが犯罪かと言うとそうとも言えない。生成AIが生み出すコンテンツは著作権違反とは言えないのだ。過度なポルノグラフィーでもない。フェイクニュースとも言えない。
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