二階氏「不出馬表明」という"したかかな戦略" 裏金問題は処分対象外で「事実上の無罪放免」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

その一方で、裏金事件の最大のキーマンとされる森喜朗元首相については、岸田首相との隠密裏の接触の結果、「森氏が裏金事件に自ら関わった証拠はなかった」(党幹部)として、こちらも「お咎めなし」と結論付けた。

岸田政権を追い詰める「国民的自民批判」

ただ、政界周辺では「今回の一連の動きは国民からの自民批判を拡大させるだけ」(政治ジャーナリスト)との指摘も相次ぐ。最新の世論調査でも内閣と自民党の支持率が最低記録を更新しており、「このままでは4・28トリプル補選も全敗しかねない」(自民選対)との声が広がる。

そうした状況にもかかわらず、岸田首相自身は依然として「とにかく明るい岸田」を演じ続けている。その裏には「4月9日からの国賓としての訪米による首脳外交の成果や、大幅賃上げと景気回復による株価高騰などが支持率回復の要因になる」(側近)との読みがあるとされる。 

ただ、今回の裏金事件の関係議員処分については「自民党内の裏取引ばかり。これで幕引きなら多くの国民は絶対許さない」(政治ジャーナリスト)との見方が支配的。このため、一連の自民党の対応への国民的反発が「岸田政権をさらに追い詰める」(自民長老)ことは間違いなさそうだ。

泉 宏 政治ジャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事