上白石萌歌「姉は一番身近な、他にはない存在」 「ネガティブな気持ちに覆われたらもったいない」
女優はもちろん、歌手や写真を通じたクリエイティブな表現など、多方面にわたって精力的に活動する上白石萌歌さん。3月8日からはシェイクスピアの四大悲劇のひとつ『リア王』でリアの三女、コーディリア役を演じています。
昨年春には大学を卒業し、仕事に専念してきたこの1年。日々の生活や仕事に対する意識はどのように変わったのでしょう? 3年ぶりの舞台に賭ける思いとともにお話を伺いました。
舞台は役者とお客さんでエネルギーを渡し合っている
── 今回は久しぶりの舞台のお仕事ですが、上白石さんの中では、テレビや映画の仕事とは何か違いがあるのでしょうか。
上白石萌歌さん(以下、上白石):実は舞台は自分の原点みたいなところがあります。私はもともと鹿児島でミュージカルを習っていたんですけど、年に一回発表の場でみんなで板(舞台)の上に立って演じる、その感動が自分の原点なんです。
テレビや映画には、自分の知らない人にも電波を通じて伝わっていく良さがありますけど、やっぱり人に伝えることを実感しやすいのは、舞台なんです。私たちが板の上に立ってエネルギーを放出しているように、お客さんもエネルギーを放出していて、そのぶつかり合いが凄く好きで。
そのエネルギーのようなものをお客さんからもらったと実感するたびに、鳥肌が立つというか、このうえない喜びを感じるんです。稽古はしんどいと思う時もありますし、自分と向き合うと恥ずかしかったり恐ろしかったりする時間ではあるんですが、それでもやっぱりちゃんとエネルギーを渡し合っている空間が私は好きです。