尾上右近「カレー」と「歌舞伎」をつなぐ仕事観 年間360食「無類のカレー好き」で独自の存在感
歌舞伎俳優でありながら、七代目 清元栄寿太夫も襲名、最近では映画やドラマ、バラエティ番組などでもマルチに活躍する右近さんだが、曾祖父は六代目尾上菊五郎、母方の祖父は昭和の名優 鶴田浩二、という華々しい血筋でもある。
カレー好きになったきっかけは、歌舞伎座近くにある「ナイルレストラン」(以下、ナイル)。歌舞伎俳優でファンを公言する人も多い、1949年創業の日本最古のインド料理店だ。
「最初に食べたのは10歳のとき、父に連れられて。僕は”洗脳”って呼んでいるんですけど、お父さんがナイルが好きで、子どもを連れていって、子どもが好きになって……という、もはや(歌舞伎業界の)ある種の伝統ですよね」
親が子をナイルに連れていって、脈々とナイルファンが受け継がれていく様を右近さんはそう語る。
多いときは1日1回ペース、公演時間の都合や地方公演などがあると1〜2週間に1回程度になるというが、それでも今なお定期的にナイルに通う。ナイルに行かない日でも、東京、地方問わず、右近さんの主食はカレーだ。
年間360食カレーでいい
歌舞伎俳優というと、差し入れもあれば、会食なども多いだろう。しかも、東銀座界隈には有名店や話題の飲食店があふれている。にもかかわらず、年360食カレーでよいのだろうか?
「食べること自体好きなので、お肉もお寿司もハンバーグも好きだし、ラーメンだって好き。差し入れでテンションが上がるものもあります。でも、自分で選ぶとカレーになりますね」
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