年100万人が集う「究極の図書館」の魅力 その答えは、岡山にあった

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山陽新幹線も停車する岡山県で最大の岡山駅から車で5分。岡山城のすぐ横に岡山県立図書館はある。2004年9月に開館した比較的、新しい施設だ。

朝9時の開館時間(土日祝は10時)直前の入り口へ向かってみると、そこには驚きの光景が広がっていた。いまかいまかと待つ人たちがロビーにあふれていたのだ。図書館の駐車場も、お昼には満車になり入場待ちで道が渋滞することもあるという。

東京ドームとほぼ同じ広さの館内

広々とした館内に、膨大な書物が並ぶ

そして開館。利用者の後について入ってみると……広い! 奥がかすんでよく見えないぐらいに広大な空間なのだ。岡山県立図書館の敷地面積は1万3000平方メートル。これは東京ドームのグラウンドとだいたい同じ広さだ。ここに130万冊の本が所蔵されている。まさに膨大な書物がある。

広々とした館内ですごす利用者たち

一方、考えてみるとゾッとした。東京ドームのグラウンドいっぱいに広がった本の山を想像してほしい。その中から、1冊の本を探し出すとしたら……。なかなかに至難の業ではないのだろうか。

しかし、それは杞憂だった。

館内のスタッフに言わせると、目当ての本を探し出す時間は「3分ぐらいですね」という。それも自分の手元に届くまでがだ。

えっ? 本当に? にわかに信じがたいが、それならと取材班は、とある本を探してもらうことにした。

スタッフはパソコン画面を見つめたまま一向に動こうとしない。ホントに3分で出てくるの?すると一言。

「書庫の中にございますので」

書庫の中? 実はこの時、カウンターの裏ではすごいことが起きていた!

これがウワサの自動化書庫

岡山県立図書館が採用しているのは『自動化書庫』。利用者の希望する本を入力すると、書庫の中から、機械が自動で本の入ったコンテナを探し出し、カウンターの近くまで届けてくれる、というシステム。これを受付スタッフが、利用客まで届けてくれるのだ。

「ご用意できました」

はたして、注文してカウンターまで、何分かかったのか?

ストップウオッチで計っていたが、3分で見つかった! これはたしかにスゴい。ただし、これは平日の空いている時間帯でのことで、土日など混雑時には15分程度かかるケースもある。

ただし、この自動化書庫に収蔵されているのは40万冊。膨大な数だがこの図書館の130万冊すべてをカバーしていない。では、自動化書庫に入っていない本はどうやって探すのか。実はこれこそが、この図書館を日本一にした「最大のポイント」である。

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