7~8月の予約は順調、計画上回る利益に意欲

稲盛和夫・日本航空会長

 ──それまでのJALはどんぶり勘定と言われていました……。

巨大企業の場合はなおさらだが、会社経営では、全部門が今どういうことをやっていて、どういう状態になっているかをすべて数字で確認できなければならない。それを部門責任者が自分でチェックし、コントロールする。言ってみれば、経営者は飛行機のパイロットと同じなんです。JALでいえば、子会社を入れて百数十の計器が付いていて、それを見ながら操縦する。これまではそれがないか、故障していた。今ではやっと百数十個の計器が全部できて、それぞれの責任者が「この高度でこの方向へ進んでいけるな」と判断できるようになった。

人間性の育成が非常に大事

──JALの経営で、まだ改善の余地があるのはどこでしょうか。

JAL本体の国内路線や自前で飛行機を持つ航空輸送子会社の収益はもっとよくしないといけない。

もう一つは、人材育成だ。私自身、いつまでもJALに残っているわけではない。「簡単にうまく経営ができるようになった」とまたぞろ気が緩んで、いいかげんな経営になったらいかん。欧米と同じように、利益が出たらすぐに「成果配分」ということになりかねないからだ。

経営者というものは、個人の立場とは別個に、無生物である会社、法人に意志を注入しなければならない。法人は決して「成果配分は困る。もっと内部留保してもらわないと、いろんな問題が出たとき対応できない」とは言わない。経営者は、個人である前に法人の意志を代弁するような人になる必要がある。幹部社員を育てるためには、人間性の育成が非常に大事だと思っている。

──幹部候補との“社内コンパ”も盛んに行っているようですね。

ゆうべも午後6時から9時過ぎまで、ある部門の40代の若手部長級十数名と一緒に集まってやった。社内で缶ビールと柿の種、コンビニの助六ずしだけという質素なものですよ。議論は侃々諤々(かんかんがくがく)、社員が悩みを話して、私がそれにコメントするという形で進めている。

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