テスラ買収も浮上、「アップルEV開発」コケた背景 10年間でスター幹部が次々と率いたが…

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(写真:The New York Times)

過去10年間、社内コードネーム「Titan(タイタン)」と呼ばれるアップルの極秘自動車プロジェクトに携わっていた多くのアップル社員はこれよりも魅力の薄いコードネームで呼んでいた。「タイタニック号の惨事」である。彼らはこのプロジェクトが失敗する可能性が高いことを知っていた。

リーダーは4人交代、人員削減も

この自動車プロジェクトは何度も中止と再始動を繰り返し、その過程で何百人もの従業員が解雇された。アップルカーのあるべき姿についてリーダーの間で意見が対立した結果、テスラに対抗する電気自動車(EV)としてスタートし、グーグルのウェイモに対抗する自動運転車へと姿を変えた。

プロジェクトが「死」を迎えるまでーー同社幹部が内々にプロジェクトが終わった事を伝え、これからに従事していた従業員はAI関連の仕事へとまわされたーー過去10年間プロジェクトに携わった6人の関係者によると、アップルはプロジェクトに100億ドル以上を費やし、テスラに匹敵する運転支援機能を備えたEVとしてスタートした当初の姿に戻っていたという。

この自動車プロジェクトの終焉は、2011年にスティーブ・ジョブズが亡くなって以来、アップルが新製品の開発に苦戦してきたことを物語っている。同プロジェクトでは4人のリーダーが交代し、何度も人員削減が行われた。

しかし、自律走行機能を持つ車のためのソフトウェアとアルゴリズムを開発することがあまりにも困難であることが判明したため、この取り組みは長引き、最終的には頓挫したわけだ。

アップルはコメントを控えている。

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