異例の「計画棚上げ」アップルEV撤退が映す憂鬱 ドル箱iPhoneは伸び悩み、「次」も出てこない

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ティム・クック
アップルのティム・クックCEO(写真:Philip Pacheco/Bloomberg)

アップルは、自動運転機能を備えた電気自動車(EV)の発売計画を中止した。10年近くにわたって秘密裏に開発を進めてきた製品だ。

2月27日に開催された社内会合で、同プロジェクトは廃止され、プロジェクトに携わっていたメンバーは人工知能(AI)部門をはじめとする別の職務に異動となることが従業員に伝えられた。会合で説明を受けた人物が明らかにした。この発表は非公開のものであったことから、この人物は匿名での扱いを希望した。

アップルからはコメントなし

組織再編の一環として、自動車プロジェクトの責任者を務めていたケビン・リンチは、アップルでAI戦略を統括するジョン・ジャナンドレアの直属になるという。

アップルはコメントを辞退した。同社が自動車開発を断念するというニュースは、ブルームバーグによって一足先に報じられていた。

「アップルカー」は消費者にお披露目されたことはないが、アップルがそうした製品を開発していることはシリコンバレーでは何年も公然の秘密となっていた。公道で走行試験を行っていたためだ。このように一般に知られた注目度の高いプロジェクトをアップルが棚上げにすることはほとんどなく、その意味で今回の計画中止は異例の動きといえる。

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