海外メディアが報じた「日本の物流業界」の大問題 2024年問題の根本にある日本の慣習と非効率さ

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リンゴの名産地として知られる青森県では、農家は配送の遅れと輸送費の高騰が需要に打撃を与えると心配している。「トラック運転手がいなければ出荷できない」と青森のリンゴ農家、ナラキショウジ(55)は言う。

青森に向かうトラック(写真:Hiroko Masuike/The New York Times))

労働力不足に加え、トラック運送業界は、サプライヤーや小売業者などの習慣によって形成された、時代遅れの慣習によって制約されている。そのため、新たな効率性をみいだすのは難しい。

(写真:Hiroko Masuike/The New York Times))

パレットも段ボールも統一化されていない

日本のトラック運送業界を代表する協会の役員である星野治彦は、その相互依存的な性質について、「この業界で一度に変化を起こすのはそう簡単なことではない」と語る。

日本のトラックは、先進国の多くのトラックとは異なり、取り外し可能なトレーラーを有していない。段ボール箱は標準化されておらず、例えばオレンジを出荷するのに400種類ものサイズがある。

「日本では物流業界の標準化が非常に遅れている」と、流通経済大学で配送システムを研究している矢野裕児は話す。「パレットのサイズは標準化されていないし、製造業者や卸売業者は標準化されたデータ共有システムを使用していない」。

統一性がないため、貨物の積み下ろしは手作業で行わなければならない。他国ではフォークリフトで行われる作業が、日本ではトラック運転手によって行われているのだ。しかも、そうした作業は契約に含まれていないため、無料で行われている。

青森では、このような慣習が深く根付いているため、トラック運転手のリンゴの積み込み場で何時間も順番を待たなければならない。

荷積みを行うドライバーたち(写真:Hiroko Masuike/The New York Times )

「ドライバーは働きすぎだ」と、最近青森から大阪まで青果物を運んだトラック運転手のフナミズは言う。「日本の流通システムが変わるとは思えない。もうしょうがないことだと思う」。

日本政府は、トラック業界への打撃を和らげるために、一連の段階的な変更を提案している。

フナミズのトラックの座席には多くの生活用品が(写真:Hiroko Masuike/The New York Times)
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