韓国・EU間で自由貿易協定(FTA)が発効![後]--FTAだけでない韓国の企業誘致政策

韓国・EU間で自由貿易協定(FTA)が発効![後]--FTAだけでない韓国の企業誘致政策

藤末健三 民主党参議院議員

前回は、7月1日に韓国とEUのFTAが発効したことを受け、日本の産業が受ける影響を書いたが、韓国は、EUだけでなく、中国とも4月13日に温家宝・中国首相と金滉植・韓国首相が話し合い、FTA交渉開始につき合意し、また、4月25日にはオーストラリアとの首脳会談で韓・豪FTA交渉を年内に妥結することを確認している。日本と韓国の間には今後「自由貿易経済圏」の大きな差が生じる。しかしながら、問題はFTAだけではない。

東日本大震災後、ある日本の化学メーカーは、今後韓国に200億円を投じ、家電や自動車の部品に使用するアクリル系樹脂原料を8割増産することを発表した。また、別の会社は約50億円を投じて韓国に炭素繊維の工場を新設することを決定した。
 
 これらの日本企業が韓国に工場を移転するのは、日本の約3分の1の産業用電力料金(国際エネルギー機関[IEA]調査では2009年の産業用電力料金は、キロワット時当たり、日本15.8セント、韓国5.8セント、アメリカ6.8セント、ドイツ10.9セント[08年])や物流コストなどコスト面のメリットに加えて、韓国側の優遇税制ほか、より大きな魅力があるためだ。

5月末、筆者は韓国の中央部にある「大邱(テグ)」の企業誘致部チームに東京で会った。彼らは、日本企業、特に自動車部品工場を誘致しようとしていた。彼らは東日本大震災で日本国内の工場が停止し、自動車部品のサプライチェーンが止まったことから、今が韓国内にサプライチェーンを取り込む好機ととらえていた。
 

彼らが企業に提示する投資インセンティブは半端ではない。

下表にあるように

・5年間法人税はなし(それも黒字化してから)、その後2年は半分
・関税3年間なし
・雇用補助金

また、土地については、ほとんどゼロに近い賃料である。

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