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リコーの「ビジコン」出資先選びではない真の狙い 大企業社員とスタートアップが学び合う共同体

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  • 井上 達彦 早稲田大学商学学術院教授
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井上:そういったスタートアップのほうが、社内チームも刺激を受けそうですね。身近なロールモデルといったところでしょうか。

森久:社内チームのイントレプレナーたちは、スタートアップの経験から代理学習できます。自分たちとフェーズが似ているからこその学びです。

ユニコーンやGAFAMの話を聞いても、すごい人たちが何百億円もの資金調達をしているイメージしかなく、どこかひとごとになってしまいます。そうではなくて、企業に勤める普通の人も新しい事業をつくっていることをもっと知ってほしいと思います。リーンに仮説検証をくるくる回しながらやっている。これを社員の皆さんにも体感していただきたい。

だから、スタートアップとどれだけ密に触れられるかが大切です。

井上:なるほど。スタートアップ側のメリットは何でしょうか。

社内の各部署に声をかけられる「通行手形」

森久:われわれが一方的にスタートアップを利用させていただくわけではないことはもちろんです。私たちとしてもそうした企業を支援したい。

たとえば、学生起業したスタートアップだと、大企業的な仕事の進め方や判断軸基準がわからない。こんなときに88年にわたる歴史と多様な事業部門を有するリコーの経験が役に立ちます。

さらに採択されたスタートアップには「いろんな部門に声をかけてもらっていいよ」と特別な手形を渡しています。

仮に非採択になったとしても、申し込んだ時点で、いろんな部門の方に見ていただけます。非採択になったとしても、部門から「ぜひ話をしてみたい」という問い合わせもあるので応募してください、と伝えています。

井上:2023年度は応募チームが51もありますが、どのように選別されていくのでしょうか。

森久:まず、参加チーム選定に向けて、社内チームの皆さんは、書類、面談を経て、選考されます。選ばれた人たちには「統合ピッチコンテスト」に進んでいただきます。

一方、スタートアップの皆さんにも募集をかけて書類・面談で選考を行います。リコーとの連携で成長できそうな会社、TRIBUSのプログラムを有効活用していただけそうな会社をノミネートして「統合ピッチコンテスト」に進んでいただきます。

社内チームと社外のスタートアップが同じ場でピッチをするというのは、なかなかないことです。当初は「スタートアップと差がついてしまうのではないか」と懸念されましたが、杞憂でした。社内起業家の皆さんは、本当に「想い」を持って、事業を起こそうとしています。

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