ネットフリックス「大復活劇」の先で迎える正念場 プロレス配信「巨額契約」の裏でスト影響も?

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U-NEXTなどの日本の配信サービスでは、作品の視聴時間に応じて報酬が決まるレベニューシェア形式が広く採用されており、以前から事業者向けに視聴データが提供されている。そのため日本の映像制作会社の間では、視聴データをまったく提供しないNetflixに対する不満の声も少なくなかった。

シリーズ作品であれば、前作品の視聴データは次回作の配信権価格を決める際の重要な交渉材料となる。しかし視聴データがわからないままでは、作品を販売する権利元が不利な状況に置かれかねない問題も存在していた。

2024年は真の実力が問われる年に

魅力的な作品があってこそ成り立つネットフリックスにとって、クリエーター側との信頼関係は、持続的成長に欠かせない重要な要素だ。あるアニメ制作会社の幹部は「視聴時間がさっぱりわからなかった状況から比べると、かなりの前進だ」と、ネットフリックスの姿勢の変化を評価する。

今後はあらゆる作品の視聴データが公開情報となるため、高額予算の作品が失敗した場合などには投資家から厳しい指摘が出てくる可能性もある。

グレッグ・ピーターズ共同CEOはビデオ会見の締めくくりの中で、「広告ビジネスの成長」「会員の増加」「価格の最適化」を2024年の優先事項として掲げた。特殊要因がなくなり、「通常のビジネスに戻る」(ピーターズ氏)2024年は実力が試される分、よりいっそう重要な1年となりそうだ。

髙岡 健太 東洋経済 記者

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たかおか けんた / Kenta Takaoka

宮崎県出身。九州大学経済学部卒。在学中にドイツ・ホーエンハイム大学に留学。エンタメ業界担当を経て、現在はM&Aや金融業界担当。MMTなどマクロ経済に関心。

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