ネットフリックス「大復活劇」の先で迎える正念場 プロレス配信「巨額契約」の裏でスト影響も?

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新たに始めた広告付きプランが、年間フルで寄与した効果も大きい。

かつては「視聴体験を損ねる」などとして広告付きプランに否定的だった同社だが、会員数が伸び悩む中で2022年11月に急きょ方針を転換し、安価な広告付きプランを導入。今では業績を牽引する成長ドライバーの1つとなった。

会社によれば、直近四半期(2023年10~12月)の広告付きプランの会員数は、前四半期(同7~9月)比で70%近く増加している。

会員数拡大に伴い、ネットフリックスは広告主にとっても魅力的なメディアとなりつつあるようだ。日本でネットフリックスの広告枠の買い付けを行っているGLASSの齋藤拓真氏によると、「広告付きプランの拡大によって、グローバル企業に限らず自治体などからも広告出稿の問い合わせが急増している」という。

WWEとの巨額契約は“方針転換”?

順調な決算報告と合わせて、ネットフリックスはサプライズも用意していた。アメリカのプロレス団体「WWE」との独占配信契約の締結だ。

現地メディアによれば、10年間で50億ドル(約7400億円)にも及ぶ巨額契約となっている。2025年1月からネットフリックス上で、WWEの看板番組である「RAW(ロウ)」のほか、ドキュメンタリーなども全世界配信するという。

Amazonプライム・ビデオなどの競合が先行して注力してきたスポーツ配信の領域に、ネットフリックスもようやく本格参入することとなる。「WWE ロウの配信によって、ライブイベント番組の拡大というわれわれの願望をかなえられる。これは広告ビジネス拡大にも貢献するはずだ」。ネットフリックスのテッド・サランドス共同CEOはそう期待を寄せた。

業界内では、ネットフリックスのスポーツ配信への参入を“戦略転換”と受け止める向きもある。2023年4月の決算資料では、大手テック企業の間でスポーツ配信の競争が激化している点に触れつつ、「われわれはそうした競争にそれほどフォーカスしていない」とも記していたからだ。

ある業界関係者は「(イギリスのスポーツ専門配信サービス大手の)DAZNの値上げが進み、会員数が頭打ちになる中で、そこからの会員奪取を狙っているのではないか」と話す。

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