広汽集団による合弁会社のリストラには先例が2件ある。同社は2022年7月、欧州自動車大手のステランティスとの合弁事業を解消すると発表。合弁会社「広汽フィアット・クライスラー」は破産申請して消滅した。
2023年10月には、日本の三菱自動車および三菱商事との合弁事業の解消で合意。合弁会社「広汽三菱」は日本側の持ち株を広汽集団が買い取り、社名変更したうえで資産管理会社に衣替えした。
中国市場で競争力を失って損失が膨らみ、外資側の撤退を含む抜本的なリストラに追い込まれた点では、広汽日野、広汽フィアット・クライスラー、広汽三菱の3社は共通している。
しかし広汽日野が他の2社と異なるのは、トラックメーカーとしての経営再建をまだ諦めていないことだ。今回発表した出資構成変更は、経営の主導権を広汽集団に移したうえで増資を実施し、事業を継続することが前提になっている。
EVやFCVへのシフト急ぐ
財新記者の取材によれば、広汽集団は(出資構成変更の完了を待たず)すでに広汽日野の経営および研究開発を実質的に指揮しているという。
広汽日野が目指すのは「新エネルギー商用車」への大胆なシフトだ。広汽集団は乗用車事業で培ったEV(電気自動車)、FCV(燃料電池車)、自動運転などの要素技術を商用車に応用できると考えており、それらを導入したスマート商用車を広汽日野で開発していく計画だ。
当初は大型トラックのEVやFCVを投入して販売の底上げを図り、2025年に5000台の販売を目指す。さらに、将来的には中小型トラックの新製品を開発・投入し、年産20万台規模への成長を図るとしている。
(財新記者:戚展寧)
※原文の配信は1月26日
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