CoCo壱番屋、海外店舗を一気拡大する期待と不安 日本のカレーハウスのシステムを海外にも移植

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店舗網拡張の構えだが、つぶさに見ると、国内と海外ではその戦略が違うことがわかる。

国内では、カレーを含めた多様な業態の店舗を拡大する。まず、CoCo壱番屋の店舗を再び増加する。3年間で61店舗の増加を計画する。

これまでは出店してこなかった駅中立地や、配達代行サービスが浸透している住宅街への出店を拡大する。

加えて、カレー以外の業態の店舗を積極的に増やす。あんかけパスタ専門店の「パスタ・デ・ココ」、「成吉思汗(ジンギスカン)大黒屋」(2020年に運営会社大黒商事を買収)、「麺屋たけ井」(2023年に運営会社竹井を買収)、そして「博多もつ鍋 前田屋」(2023年に運営会社LFD JAPANを買収)といった業態を2024年2月末の計45店舗(見込み)から、3年間で100店舗まで増加させる。

現状、壱番屋は売上高の98%をカレー事業が占めている(2023年2月期実績)。今後はカレー以外の業態の店舗数を増やし、収益源の多角化を目指す。

海外ではCoCo壱番屋に軸足

多様化を図る国内に対して、海外ではCoCo壱番屋に軸足を置いた展開を進める。

出店ペースは、海外のほうが国内を上回る計画だ。国内店舗数(全ブランド合計)は2027年2月末1360店舗と、2024年2月末から9%増を計画。一方の海外は、同300店舗と、2024年2月末から40%増を算段する。

海外では、2027年2月末までの3年間で86店舗の純増を計画している。2014年2月期から2023年2月期の間に、海外で増加した店舗数は85店舗だった。つまり、今後の3年間で、過去10年分の店舗を一気に増やす計算になる。

壱番屋はこれまで、中国やアメリカなどでは直営、東南アジアではFCを中心に出店を進めてきた。今後もこういった地域での出店を進める構えで、タイや台湾、アメリカでは3年間で10店舗程度をオープンする計画だ。

また、直営で出店していたエリアでもFCでの出店を積極化する。アメリカでは初のCoCo壱番屋のFC店を2023年9月にテキサス州ダラスで開店。出足は売り上げ好調のようで、今後も現地でFC店を拡大をしていく方針だ。

さらに、未出店地域でも出店を計画する。EU圏で3店舗、オーストラリアで4店舗をそれぞれ新たに構える予定だ。

それぞれの地域で、日本のCoCo壱番屋をほぼそのまま出店する。メニューなどに一部違いはあるものの、カレーの辛さやトッピングなどを選択する方式は日本のものと同様だ。

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