オリエンタルランドが株主総会、危機管理を賞賛する声の一方で業績予想の未開示などに関する質問も
オリエンタルランドは29日、千葉市美浜区の幕張メッセ イベントホールで第51期定時株主総会を開催した。今株主総会で議決権行使した株主は3万6649人(議決件数63万0933個)。議案の(1)剰余金処分の件(普通株式1株につき50円、配当総額約41.7億円)、(2)取締役12名選任の件--は株主の賛成多数で承認・可決した。
午前10時から開かれた総会では、まず前2011年3月期の事業報告および連結計算書類の説明が大型スクリーンを使って行われた。テーマパーク、ホテル、その他(イクスピアリなど)の3事業部門別にトピックスを報告。3月11日の東日本大震災以降の電力不足による休園などについても説明があった。
その後、議長の上西京一郎社長から経営方針の説明があり、電力不足に伴う自家発電設備を8月に導入することや危機管理体制の強化、今期(12年3月期)からスタートした中期経営計画の骨子、被災地への義援金(入園者による支援金も含め総額6億2000万円)などについて報告があった。
出席した株主からの主な質問は、(1)今期の業績予想の未開示の理由、(2)自家発電装置の具体的な対応策、(3)東日本大震災発生時の危機管理上の反省点、(4)テーマパーク施設の耐震性--などが挙げられた。
同社側の回答は下記の通り。
(1)コスト・投資の想定は一定程度できているが、休園再開後の入園者数が読みきれず、収入面が把握しにくいため、現時点で開示できていない。もう一段ハッキリした状況になった時点で発表したい。
(2)ガスエンジン式の自家発電装置を導入し、全体の使用電力量の25%を賄える。また、すでにソーラーパネルでの自家発電も実施しており、エレクトリカルパレードの全使用量をカバーしている。
(3)被災時はゲスト(入園者)・キャスト(社員など)の安全を第一に考えて十分に取り組めたが、施設の安全確認などに時間を要し、待機していたゲストに不便をかけたこと。今後改善策を講じたい。
(4)全施設が新耐震基準に適合しており、マグニチュード7クラスでも倒壊しない基準になっている。
そのほか、複数の株主から、東日本大震災時の同社側の避難誘導など危機管理に関しての対応の適切さを賛辞する発言や、株主優待や遠方者に対するパーク内での優遇策の要望などが目立った。総会は同日正午過ぎに閉会した。
(鈴木 雅幸 =東洋経済オンライン)
《東洋経済・最新業績予想》
(百万円) 売 上 営業利益 経常利益 当期利益
連本2011.03 356,180 53,664 52,887 22,907
連本2012.03予 368,000 54,700 53,700 30,000
連本2013.03予 400,000 60,000 59,000 34,000
連中2010.09 179,702 27,722 27,548 16,069
連中2011.09予 174,000 26,000 25,500 14,000
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1株益¥ 1株配¥
連本2011.03 265.3 100
連本2012.03予 359.6 100-105
連本2013.03予 407.6 105-110
連中2010.09 186.0 50
連中2011.09予 167.8 50
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