不正に揺れるダイハツ、生産再開はいつになるのか 国交省が是正命令、トヨタ主導で構造改革

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生産再開の目安になりそうなのが是正命令の報告。国交省は、①会社としての業務運営体制の再構築、②車両開発全体の業務管理手法の改善、③不正行為を起こしえない法規・認証関連業務の実施体制の構築、の3点を求めている。

斉藤鉄夫・国土交通相から是正命令を受け取るダイハツの奥平社長(記者撮影)

第三者委員会は、不正は30年以上行われており、2014年以降に急増したと指摘。短期開発を目指すあまり、過度にタイトで硬直的なスケジュールのシワ寄せが認証部門に来ていた点や、人員不足、認証部門内外での風通しの悪さなど組織風土も批判している。

再発防止や組織再編はトヨタが主導することになる。佐藤恒治社長は1月16日、報道陣の取材に応じ、「ダイハツの車づくりに関与しきれなかった。事業の体制やスキームがしっかり機能するようにしないといけない」として、トヨタが開発現場に入り込む考えを示した。

ダイハツの事業体制について「(軽自動車以外も手がけて)負荷がかかりすぎていたなら事業領域を見直す」「今の経営体制を前提に置かずに検討する」と、抜本的な改革を示唆した。

トヨタグループでは日野自動車や豊田自動織機などでも不正が発覚しており、グループ全体のガバナンスを問われる事態となっている。このため豊田章男会長がグループガバナンスの方針について1月30日に説明するという。

取引先へ広がる影響

「顧客にはただただ申し訳ない」。関東圏のダイハツ系販売会社の幹部は淡々と語る。現在は新車販売を自粛し、サービスや中古車販売でしのいでいるという。別の販売会社首脳は「顧客に何か説明しても、『それもうそじゃないのか』と言われることもあった」とこぼす。当然、部品メーカーや工場の地元経済も大きな影響を受けている。

ダイハツは、販売店や部品メーカーに対し、生産停止による損失について個別に補償に応じていく方針。2次以下の部品メーカーに対しても、1次取引先を通じ補償を行うという。ある部品メーカーの幹部は「すでに補償の具体的な話は来ている」と明かす。

生産停止が長引けば、ダイハツの経営に対してはもちろん、社会的にもダメージは膨れ上がる。ダイハツとトヨタは説得力のある改革案を示す必要がある。

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横山 隼也 東洋経済 記者

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よこやま じゅんや / Junya Yokoyama

報道部で、トヨタ自動車やホンダなど自動車業界を担当。地方紙などを経て、2020年9月に東洋経済新報社入社。好きなものは、サッカー、サウナ、ビール(大手もクラフトも)。1991年生まれ。

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