中国の自動車生産・販売台数が年間3000万台突破 輸出の爆増が牽引、2024年は成長の勢い鈍化も

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ただ、中国の自動車輸出が2024年も高い伸びを維持できるかは不透明だ。新エネルギー車もエンジン車も、主要な輸出先で複雑な問題に直面している。

新エネルギー車の輸出は、現時点ではヨーロッパと東南アジアが主要市場となっている。そのうちヨーロッパでは、EU(欧州連合)の政策執行機関である欧州委員会が2023年10月、中国製EVの補助金に関する調査に着手した。仮に中国製EVに(中国政府からの)過剰な補助金が支払われていると認定された場合、EUは相殺関税を課すことになる。

中国の新エネルギー車の年間生産台数は1000万台に迫っている。写真は中国のEV最大手BYDの生産ライン(同社ウェブサイトより)

エンジン車の最大の輸出先であるロシア市場では、2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻が、中国メーカーに予期せぬ商機をもたらした。西側諸国の大手自動車メーカーが、ロシア市場から続々と撤退したためだ。これは一過性のチャンスであり、持続性は期待できない。

「新エネ車」は1000万台超えへ

中国の自動車生産・販売の拡大を、輸出とともに支えてきたのが新エネルギー車だ。中国汽車工業協会のデータによれば、2023年の生産台数は前年比35.8%増の958万7000台、販売台数(輸出を含む)は同37.9%増の949万5000台に達し、1000万台の大台に近づいている。

本記事は「財新」の提供記事です

とはいえ、2021年の新エネルギー車の販売台数が前年の4.5倍、2022年は同1.9倍という急成長を記録していたのと比較すると、2023年は勢いの鈍化が否めない。

中国汽車工業協会は、2024年の新エネルギー車の販売台数を1100万台と予想している。これは2023年比の伸び率が20%に届かないことを意味し、成長のさらなる減速が避けられそうにない。

(財新記者:余聡)
※原文の配信は1月13日

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