まず「笑い」はいうまでもないだろう。少なくとも私の感覚では、今のどんなお笑い番組よりも笑いの総量が大きい。
そんな「笑い」量産の背景にあるのは「依頼の量と質の充実」だと思う。
そもそも多くの依頼者が、ちゃんと笑える(泣ける)ポイントをしっかりと計算した依頼を送ってくる。いわば「依頼者総放送作家体制」が強固に出来上がっている。
「アホ・バカ分布図」という大発見
「知性」は、この番組が全国的な評判を得るきっかけであり、1991年の日本民間放送連盟賞テレビ娯楽部門最優秀賞を受賞した「アホ・バカ分布図」に象徴される。
大阪(アホ)と東京(バカ)の間で、どこに「アホとバカの境界線」があるかを調査していくと、「アホ」と「バカ」の間に「タワケ」の領域があることが判明。さらに念入りに調べていくと、京都を中心として「アホ」「アヤカリ」「アンゴウ」「バカ」「ウトイ」「トロイ」「タワケ」などの言葉が京都から同心円状に広がっていることが判明したのだ(つまり当時の都=京都で流行った言葉が、段階的に全国へと波及していく構造)。
「知性」に言葉を補足すると、もしかしたら今世間にもっとも欠けているかもしれない「実証主義的知性」となる。今やネットですべてわか(った気になれる)時代だ。しかしナイトスクープは、丁寧に取材や実験という「実証」をていねいに積み重ねる。だからこそ、その結果として、「アホ・バカ分布図」のようなとんでもない大発見に行き着いた。
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