治療1回に水120L必要「透析患者」襲う断水の怖さ 「水は電気とともに医療機関の生命線」と関係者

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年齢階層別に見ると最も割合の多い年齢層は70~74歳で、80代も増えている。一方で、40代や50代もいるので、透析が決して高齢者層だけではないこともわかる。

困難を乗り越え治療を受ける

透析患者の日常生活は制限が多い。食事では果物などに多く含まれているカリウムを制限しなければならず、水分も食事で摂る水分も含め、かなり厳しくコントロールしなければならない。感染症にもかかりやすいので、感染対策は普通の人以上に厳重に行う必要もある。

週3日・1日あたり4時間の治療を受け(しかもこの間、ベッドで安静にしていなければならない)、こうしたさまざまな困難を乗り越えつつ、透析患者は治療を受けているのだ。

こうした状態でも、少しずつ透析を受ける環境は変わってきている。

例えば、仕事で遠方に出張に行ったり、旅行を楽しんだりする人たちは、事前に主治医から目的地にある医療機関を紹介してもらって、現地で透析を受けている。仕事をしている人は、睡眠時間を利用した夜間(オーバーナイト)透析という選択肢もある。

また、運動不足解消のきっかけをつくろうと、「透析リハビリテーション」と名付けて、透析中に軽い運動を提案する医療機関も出てきた。

透析中の4時間、多くの患者は仮眠をしたり、読書をしたり、テレビを見たりして過ごす。その時間を活用して適切な運動をすれば、少しでも時間を忘れることができたり、日常生活を送るための筋力維持をしたりする効果も期待されている。

血液透析にかかる医療費は1人月額約40万円で、国全体で透析にかかる医療費は年総額1兆6200億円に上り、総医療費の約4%を占めている。

厚生労働省は2018年7月にまとめた腎疾患対策検討会報告書で、2028年までに年間新規透析患者数を現状の3万9000人程度から3万5000人に減らす数値目標を掲げた。ところが、最新データとなる2022年の新規透析患者数は3万9683人。前年比828人減少したが、目標達成に向けて依然、途上にある。

糖尿病性腎症やさまざまな腎臓病をまとめて慢性腎臓病(CKD)と呼ぶ。

腎臓は、肝臓とともに「沈黙の臓器」といわれる。自覚症状が乏しく、症状を自覚したときには進行しているケースも少なくないが、早期から適切な治療をすれば重症化の予防は可能だという。

君塚 靖 えむでぶ倶楽部ニュース編集部 記者

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きみづか やすし / Yasushi Kimiduka

証券・金融畑の記者を経験した後、医療系記者に転身。2018年1月にメディカル・データ・ビジョンに入社。同社情報誌「えむでぶ倶楽部ニュース」編集部で医療・健康情報のデジタル化と位置付けられる、人が一生涯の健康・医療情報を自ら管理できるPHR(パーソナル・ヘルス・レコード)についてや、コロナ禍で非接触型医療の新たな形として注目されるオンライン診療などについて執筆している。同社の医療情報サイト「めでぃログ」ポータル(https://portal.medilog.jp/)向けにも記事を執筆している。

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