「新宿線のテコ入れ」どうする?西武HD社長に聞く 東急・小田急の中古車両導入は「最適の選択」
西武はグループ横断的なポイント制度「SEIBU PRINCE CLUB(西武プリンスクラブ)」があるが、2022年7月に西武線の乗車ポイント制度を始めてから、約130万人だった会員数が約180万人(2023年12月)まで一気に増えた。
1日約150万人が利用する鉄道の機能は大きい。沿線の価値向上や活性化が今後の重要なキーであることは間違いない。
――西武沿線の開発についてはどのように進めますか。
鉄道沿線の街づくりは地域や行政と協議しつつ入念な検討が必要だが、駅周辺や高架下の開発なども含めて絶え間なく進めていく。
これまで進めてきた所沢の開発は第4コーナーに入っており、今年秋に西口の元車両工場だったところの商業施設の完成で完結する。所沢では西口開発計画のほか、東口の商業施設開発、ベルーナドームのボールパーク化や西武園ゆうえんちのリニューアルオープンなど、エリア全体で約1000億円の投資をしている。
また、東村山駅付近では連続立体交差化事業が進んでおり、新宿線の中井―野方間も地下化する工事を行っている。踏切をなくして沿線をより住みやすくし、そういったところに新たな商業施設の土地を創出するなどしていきたい。そうすることで周辺に人が集まっていく。
西武沿線の強みは何か?
――鉄道の通勤利用がコロナ禍前には完全に戻らず、今後少子高齢化も進む中、「選ばれる沿線」になるための他線との競争は加速すると思います。西武沿線の強みは何でしょうか。
池袋線も新宿線も、都心から短時間で風景の変化とそのバリエーションが豊か。池袋線で行ける秩父は山手線から一番近い国立公園だ。新宿線の終点、川越は外国人観光客にも人気の観光地になっている。
さらに、飯能にはフィンランド以外で初のムーミンのテーマパーク(ムーミンバレーパーク)、としまえんの跡地にはロンドン以外で初のハリー・ポッターの施設(ワーナー ブラザース スタジオツアー東京―メイキング・オブ・ハリー・ポッター)がある。
世界の財産が進出してきて、地域の活性化にもなっている。これが他社線沿線と一線を画す西武沿線の魅力だと思う。『翔んで埼玉』(映画)でも言われたように海はないけれど(笑)。
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