BM側の不正請求を隠蔽しようという意図は明らかだったが、そうした事実には目をつぶり、「未来志向」などと言って入庫再開に話が傾いていった。
入庫再開によって新たな不正請求が生まれ被害者が増える可能性も、十分に考えられたはずだ。だが、新たな被害の可能性に言及することもなく、ミーティングは30分程度で終了している。
修理費を故意に水増し請求する行為は、保険金詐欺という立派な犯罪だ。その犯罪を自社の取引維持のために黙認するというのは、詐欺の片棒を担ぐに等しい。
ゆえに、白川氏を中心に、犯罪の片棒を担ぐ判断をし、それに特段の異論を唱えなかった9人の出席者は、引責辞任にとどまらず、会社に損害を与えたとして刑法の背任罪に問われる可能性すらある。

引責必至の櫻田CEO
また、損保ジャパンの取締役も務めながら、昨年9月の記者会見で自らの責任をはぐらかし続けたSOMPOホールディングスの櫻田謙悟会長兼CEOと、自身の秘書役を務めていた白川氏に社長のバトンを渡した、損保ジャパンの西澤敬二会長も、引責辞任は避けられない。
BMの不正請求について、東京海上日動火災保険と三井住友海上火災保険は、22年3月から4月にかけてトップに詳細を報告している。一方で、22年3月まで社長を務めていた西澤氏に対しては、「いっさい報告していない」(同社幹部)という。
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