ヒアリングシートの改ざんについても、櫻田氏が知ったのは23年7月の取締役会だという。バッドニュースがまともに共有されず、企業統治や内部管理の機能不全は火を見るより明らかだ。
もし櫻田氏が引責辞任を執拗に避け、CEO職のみを外し、会長兼取締役会議長として残るようなことになれば、損保ジャパンの組織はこれ以上持たないはずだ。
「第二、第三の櫻田、西澤をつくらないよう、持ち株(会社)も(損保)ジャパンも、経営陣を刷新する必要がある」。そうした声は今、櫻田氏をよく知るOBや現役の役員からも上がり始めている。
シナリオどおりには進みそうにない後任人事
となると、白川氏の後任人事もシナリオどおりにはなかなか進みそうにない。白川氏が社長辞任を表明した昨年9月の記者会見では、石川耕治副社長がピンチヒッターを務めると発表していた。
ただ、石川氏は18年にSOMPOの秘書部特命部長に就き、櫻田氏の財界活動を強力にサポートしてきた側近中の側近だ。
経営の混乱に乗じるかのように、側近を白川氏のピンチヒッターに据え、そのまま社長に昇格させる人事を断行するのであれば、世間は第二の櫻田氏を損保ジャパンがつくろうとしているのだと読み取ることになる。
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