誤解だらけだった戦略コンサルティング 『コンサルティングとは何か』を書いた堀紘一氏に聞く

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小


 本を読んださる有力な人から、中内(功・ダイエー創業者)さんのことをあんなふうに言うのはけしからん、という言葉をいただいた。でも、中内さんには100回以上会っている。そのうえでの人物評価だ。私なりに信念を持って書いた。

──JALにも厳しい。

JALはあきれた会社の一つだった。何回かコンサルティングしている。こちらの診断をもう少し受け入れていただけたらだいぶ違っていただろう。JALがこの1年間やってきたことは、四半世紀前に私が提言したことの域を超えていない。

JALでは、機長組合が家まで直談判に来たり、「娘がいるようだな、月夜の晩だけではないぞ」といった脅迫文書をよこした連中もいた。この仕事をしていて、実弾はないが、かみそりの刃を送り付けられたことはある。血判状の脅迫文書というのもあった。

──航空業界全体に対する評価もまた厳しい。

エアラインというビジネスは、世界的に見ても儲からない。発展途上国のエアラインの中には、同じ航空運賃でも人件費の差だけコストが安いので、わずかに食べていけるところはあるが。先進国のエアラインは、続ける以上はそうとうの創意工夫がないと、うまくいかない。

──ホンダやソニーにも言及しています。

ホンダはいい会社だが、平凡な普通の大企業になったのではないか。以前は、考え方が違った。すでに大企業になっていたが、ウチは大企業だ、という認識はなかった。失敗してもいつもひるまず、敢然とまたチャレンジしていったものだ。ソニーはホンダよりだいぶ前に普通の大企業になった。ソニーの収益がおかしくなるのは当然だろう。

次ページ失敗をなじる文化は最悪
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事