「TOEICのスコア」をAI活用で引き上げるコツ 紙の教材を使いつつ効率化、最適化、習慣化

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次の注目点は15段階の自動実力判定。目標スコアを決めたり参考書を選んだりするうえで、現在のレベルを把握することは必要不可欠だ。実力を把握する時間が短縮できるという点、またレベルアップが小まめに可視化されモチベーションアップにつながるという点でも、有用な機能である。

苦手な問題形式の分析と対策もよい。AIが自分の苦手な形式を導き出してくれ、解説動画や演習問題で集中的に強化できる。

学習の習慣化に貢献

「Santaアルク」は、AIを搭載したTOEIC対策アプリの中でも人気だ。得意・不得意箇所の分析やランクづけをしてくれる。例えばリスニングのナレーターの国ごとの正答率、リーディングの解答時間まで出してくれるため、スタディサプリと同様に、分析と対策に要する時間を大幅に短縮できる。目標スコアに向けたランクも表示されるため、現在地と今後到達すべきレベルもつかみやすい。

パーソナライズされた学習提案もよい。自分に合ったカリキュラムをAIが自動でアレンジ。苦手部分を中心に出題してくれる。難易度も調整できるため、効率的・効果的に学習に取り組める。

最後のポイントは精度95%を誇るスコア予測。現時点の実力で本番のTOEICを受けると何点になるのか。学習者にとっては非常に気になるところなので、これが可視化されるのはモチベーションアップにつながる。頻繁に学習してチェックしたくなるため、学習継続・習慣化に貢献する。

「abceed」は、前述の2つと同様にAIがおすすめ問題を出してくれる機能がある。忘却曲線を利用しており、復習するのに最適なタイミングで出題してくれるのが特長だ。一問一問の解答に要した時間がわかるのも重宝する。

TOEICは時間との戦いという側面もあり、どのパートのどの設問に時間がかかっているか、時間配分をどう変えれば時間が足りず最後まで解けない事態を防げるのか、という分析と対策は有効だ。

予想スコアも出してくれるため、自分の現在のレベルを把握できるとともに学んだ分が成果として表れるのは、学習継続に一役買う。

AIの発達により、「英語を学ばなくてもよい世の中になるのでは?」と言う人がいるかもしれない。

しかし、AIが過去の膨大な情報を瞬時に処理し、最適と思われる翻訳結果を出してくれても、それらを今のこの状況に応じて解釈し、どの表現を使うかを判断し、気持ちを込めて相手とコミュニケーションを取るのは、人間にしかできない。AIに頼る人が増えれば増えるほど、それなしに英語を使える人は貴重になる。

テクノロジーとアナログ、双方のよさを生かすハイブリッド学習で、スコアアップを実現しよう。

嬉野 克也 会社員・英語学習アドバイザー

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うれしの・かつや

1973年生・大阪府出身。関西大学文学部英文学科卒業。36歳から学生時代以来の英語学習を再スタートした、元々は英語をやる必要がなかった会社員。オンライン英会話の徹底活用とTOEICテスト900点突破を経て、外資系企業担当として日常的に英語を使うようになる。インターネットやセミナー、雑誌などで、効果的な学習法とモチベーション管理法の情報を発信。 著書に『オンライン英会話の教科書』(国際語学社)、『忙しい人の TOEIC(R)テストとビジネス英語の同時学習法』(クロスメディア・ランゲージ)。

ブログ:『アラフォーからオンライン英会話とTOEICをはじめたら英語で仕事ができるようになった会社員のブログ』
Twitter:@self_agenda

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