なかでも突出した成果と言えるのが、スマートフォン事業の鮮やかな復活だ。
ファーウェイは2023年8月末、ハイエンドの新型スマホ「Mate 60シリーズ」を発売。心臓部に自社設計の半導体「麒麟(Kirin)9000s」を搭載し、同社製のスマホとしては約2年ぶりに5G(第5世代移動通信)に対応した。Mate 60シリーズは中国市場で品薄になるほどの人気を博し、コンシューマー向け端末事業の回復に大きく貢献した。
自動車関連事業も徐々に軌道に乗りつつある。2023年9月には、提携関係にある中堅自動車メーカーの賽力斯集団(セレス)と共同開発したSUVタイプのEV(電気自動車)「問界M7」のマイナーチェンジ・モデルを発売。旧型よりスマート機能のレベルを高めながら、メーカー希望価格を約4万元(約80万円)も引き下げた。
その結果、問界M7には生産能力を上回る注文が殺到。納車まで2カ月待ちの人気となっている。
社員の気の緩みに戒め
ファーウェイは2024年もさらなる成長を目指している。経営トップの胡氏は新年メッセージのなかで、各事業が目指すべき方向について次のように述べた。
「ICTインフラ事業は安定成長を通じて会社の屋台骨を支える。コンシューマー向け端末事業は引き続き圧倒的なナンバーワン・プロダクトの創造に務める。デジタル・エネルギー事業はプロダクトの品質と競争力を不断に高める。スマートカー・ソリューション事業は技術的な優位を商業的成功に転化させる」
さらに胡氏は、業績回復が社員たちの気の緩みにつながることがないよう、注意を喚起することも忘れなかった。
「各事業部門は自信を持つべきだが、過度な楽観は禁物だ。事業リスクをしっかり認識し、なかでも在庫リスクを適切に管理し、業務効率を改善してもらいたい」
(財新記者:張而弛)
※原文の配信は2023年12月29日
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