「イカゲーム」バラエティがヒットした2つの理由 6億円以上の賞金でドロドロの人間社会を描く

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友情が築かれたり、リーダーポジションを狙う男性が現れたり、女性同士が結託したりと、会社組織の人間関係を見ているようだ(写真:Netflix)

個性まで見えてくる演出は狙ってのことでしょう。友情が築かれたり、リーダーポジションを狙う男性が現れたり、女性同士が結託したりと、会社組織の中の人間関係を見ているようでもあります。信頼関係を試す独自のゲームは、ある意味、殺戮シーンのドラマよりも残虐性を感じます。終盤になるほど胃がキリキリするような心理戦が続いていきますが、最終話(10話)の決戦まで見届けたくなるはずです。

反響は予想以上!

リアリティショーのヒットメーカーが手掛けているとあれば、妙に納得もします。イギリスの制作会社スタジオ・ランバートとイギリス大手民放局ITVグループの制作会社ザ・ガーデンの2社が共同で企画、制作しています。スタジオ・ランバートが生み出した世界ヒット作品は数多く、過去にNHKで放送された社会派ドッキリ番組「覆面リサーチ ボス潜入」はスタジオ・ランバート発企画の公式日本版でもあります。

「イカゲーム」のバラエティ版「イカゲーム:ザ・チャレンジ」も確実に世界ヒットを狙って作られてはいるものの、反響は予想以上です。2023年11月22日の初回配信からNetflix公式「週間グローバルTOP10」(英語TVシリーズ)にランクインし続けています。93カ国でトップ10入りした記録もあり、日本でもこれまで上位に上がることがありました。日本や韓国以外のリアリティショーが日本のランキングに入ることそのものが珍しく、「イカゲーム」の強さを表しています。たとえドラマと勘違いしてバラエティ版を見始めたとしても、クオリティの高さは保証できますから、そのまま完走してしまうことをオススメします。

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長谷川 朋子 コラムニスト

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はせがわ ともこ / Tomoko Hasegawa

メディア/テレビ業界ジャーナリスト。国内外のドラマ、バラエティ、ドキュメンタリー番組制作事情をテーマに、テレビビジネスの仕組みについて独自の視点で解説した執筆記事多数。最も得意とする分野は番組コンテンツの海外流通ビジネス。フランス・カンヌで開催される世界最大規模の映像コンテンツ見本市MIP現地取材を約10年にわたって重ね、日本人ジャーナリストとしてはこの分野におけるオーソリティとして活動。業界で権威ある「ATP賞テレビグランプリ」の「総務大臣賞」の審査員や、業界セミナー講師、札幌市による行政支援プロジェクトのファシリテーターなども務める。著書は「Netflix戦略と流儀」(中公新書ラクレ)。

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