ドクターイエロー引退?新幹線「N700S」の後継車 自動運転や検測機能搭載の「新型」2028年登場?

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車内の設備はどうなるか。2024年春には3、10、15号車にある喫煙ルームが廃止される。新型車両がこのスペースをどう活用するかも気になるところだ。現行の車両ではかつて7号車にあった喫煙ルームがビジネスブースになった。3、10、15号車のスペースは非常用飲料水置き場に使われる予定だが、より本格的な活用法があっていい。車内ワゴン販売の廃止もあり、自動販売機のスペースにするのは一案である。

喫煙ルーム内
N700Sの喫煙ルーム(写真:JR東海)

たとえば、近畿日本鉄道の特急「ひのとり」にはコーヒーサーバーやスナック類の自販機を設置したスペースがある。ワゴン販売の廃止に合わせて駅ホーム上にホットコーヒーやアイスクリームの自販機が設置されるようになったが、乗車後すぐ飲まないとコーヒーは冷めてしまうし、すぐに食べないとアイスは溶けてしまう。一息ついてから熱いコーヒーを飲みたい、カチカチに凍ったアイスを食べたいという利用者も少なくないはずだ。また、ビールサーバーを車内に置けば、泡立ちのよい冷たいビールが車内で楽しめる。

ひのとり 自販機スペース
近鉄特急「ひのとり」車内にあるコーヒーサーバーやスナック類の自販機を設置したスペース(記者撮影)

長期的には食堂車が復活?

このほか、JR東海は時期こそ明言しないが、グリーン車の上級クラス座席の導入を検討中だ。JR東日本の新幹線E5系やE7系にはグリーン車よりもグレードが高い「グランクラス」が設定されている。本革の座席でシートピッチが広く、まるで航空機のファーストクラスのようだ。JR東海もこのような座席を検討しているのだろうか。

2027年以降にはリニア中央新幹線の品川―名古屋間が開業する。その後には新大阪延伸も控えている。東京と大阪を結ぶ大動脈が2重系化し、現行の東海道新幹線よりも短時間で移動したい人はリニアに流れるため、東海道新幹線は今までのような大量輸送にこだわる必要はなくなる。車内スペースに余裕ができれば、長期的には食堂車の復活がありうるかもしれない。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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