今後の政策にヒントを与える研究成果。

『現代日本の消費分析:ライフサイクル理論の現在地』(慶應義塾大学出版会)/宇南山 卓(うなやま・たかし)1974年生まれ。京都大学経済研究所教授。博士(経済学)。専門は日本経済論、家計行動、経済統計(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)
膨大な出版物から読者は何を選んだらよいのか。恒例の「ベスト経済書・経営書」のアンケートを経済学者、エコノミストを対象に実施した。
消費刺激、児童手当て……
![週刊東洋経済 2023年12/23・12/30新春合併特大号(2024大予測)[雑誌]](https://m.media-amazon.com/images/I/51Pa1qc9iYL._SL500_.jpg)
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3位は『現代日本の消費分析:ライフサイクル理論の現在地』だ。
「ライフサイクル理論」とは、家計がどのように消費を決定し、経済環境の変化がどのように家計行動に影響するかを記述する理論。マクロ経済学の基本的な枠組みの1つであり、消費に関する多様な現象、例えば、消費税率引き上げ、児童手当給付問題、老後生活資金の不足問題などの分析に用いられる。
本書は、学術研究における同分野の最新の議論を解説しつつ、著者自身の研究を集大成的にまとめている。
▼著者に聞く
「消費」というのは、実は難しい言葉だ。マクロ経済学の世界では、ある日に稼いだ所得のうち、その日に使ってしまう部分を指して消費という。つまりライフサイクル理論とは、人々が今日いくらお金を使うかを論じるものである。
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