ビジネスパーソンが今こそ読むべき3本の名著とは。

佐藤 優(さとう・まさる)/作家、元外務省主任分析官。1960年生まれ。85年外務省入省。対ロシア外交で活躍するも、背任と偽計業務妨害の有罪確定で外務事務官失職。『国家の罠』『自壊する帝国』など著書多数(撮影:尾形文繁)
鳴動する政治。終息しない戦乱。乱高下する市況。その先にあるのは活況か、暗転か――。
『週刊東洋経済』12月23-30日 新春合併特大号の特集は「2024年大予測」。世界と日本の行方を総展望する。
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最近、政治家、学者、新聞記者、編集者、若手起業家などと話していて気になることがある。生成AI(人工知能)を過大評価する傾向だ。どうも、人間はインターネットでつながっている存在群で、1人ひとりは端末にすぎないと考えているようだ。
そして、学者、職業ジャーナリストなどの専門家は情報を得て正確な判断ができる、というのは旧時代の思考で、これからは誰でもインターネットでほとんどの情報と知識を得られる、と勘違いしている。
そういう人たちの弱点は、国家とナショナリズムに対する認識が欠如していることだ。21世紀になっても、人間は国家という枠から離れられず、国民という属性を超克することはできない。
だから国家とナショナリズムについての知識は、ビジネスパーソンが世界を正確に読み解くうえで不可欠だ。プラグマティックにいえば、国家とナショナリズムについてよく理解しているビジネスパーソンは、仕事のうえでの大失敗を免れることができる。
ナショナリズム論の古典的名著
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