「東京がすごかった時代」と既に始まっている衰退 富裕層のための再開発に哀愁が漂う
百貨店業界全体は低迷しているものの、伊勢丹新宿店という旗艦店が絶好調である理由について、記事では資産1億円以上5億円未満の「富裕層」と5億円以上の「超富裕層」が優良顧客となり、彼らへの手厚いサービスにより、好業績である様を報告する。
かつて百貨店というものは「ちょっと贅ぜい沢たくな休日の家族のレ
ジャー」で、最上階の大食堂で食事をとり、屋上の簡易遊園地で子供達が楽しむ様は「庶民にとってのささやかな贅沢」であったが、完全に富裕層しか行かない場所になるのだろう。
島根県でも2024年1月14日をもって県内唯一の「一畑百貨店」はなくなる。私のいる佐賀県でも県庁所在地である佐賀市の「玉屋」が唯一の百貨店であり、2023年8月27日をもって7階の飲食店街が閉鎖された。
富裕層とそうではない人
それはそれで企業の戦略ではあるが、2000年代中盤まで普通の仕事人が家族に提供できた娯楽をこれからの仕事人は提供できなくなることを意味する。「親父は立派だったのにオレときたら……」なんて嘆く30~50代も出てくることだろう。
そして、東京はイギリスのごとく階級社会となり、階級ごとに行く店が異なるようになるだろう。東急歌舞伎町タワーにしても、普通の人は華やかに着飾った金持ちが楽しそうにビルに吸い込まれている様を遠くから見るしかなくなる。実に哀愁漂う未来絵図ではないか。
制服も含め、日本は「皆同じ」という空気感はあった。貧乏人でも節約し、カネを貯めれば高い店にも行くことはできた。しかし、階級ができてしまうと、空気として「入ってはいけない店」が誕生するのである。
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