「東京がすごかった時代」と既に始まっている衰退 富裕層のための再開発に哀愁が漂う
著名観光地にしても浅草、皇居、東京タワー、東京スカイツリーといった中核のものがありつつも、多くの駅とその周辺でさえ半日~1日は楽しめるような場所になっているのだ。谷中・根津・千駄木の「谷根千」、そこに上野を合わせれば十分な観光の一日を過ごせる。こんな都市は世界にもあまりない。
唐津に引っ越してから初期の頃は月1回、2022年からは2カ月に1回、東京で「ABEMA Prime」という報道番組に出るようになった。当然毎度、東京のデカさと人の多さに驚くが、すごいのが駅ごとに見事なまでの特色を持っている点である。海外へ行くと、一つの巨大な街で行くべき場所がガイドブックで紹介されているが、東京は一つひとつの駅の中に行くべき場所がいくつも存在するのだ。
JR中央線の駅を適当に降りたとしても活気に溢れ、駅前の繁華街は世界中の料理を食べることができる。東京を起点に東京ディズニーリゾート、横浜中華街、江の島、鎌倉、熱海、伊豆などへも良好なアクセスがある。
人口約420万人を擁する多摩地区
そして、「東京都下」と格下扱いされつつも、日本9位の福岡県(512万人)と10位の静岡県(約358万人)の間に入るのが、人口約420万人の多摩地区である。観光ガイド本『地球の歩き方』の「多摩地域」版が出た理由も納得できる。
とにかく世界有数の大都市である東京は1960年代から輝き始め、そして1980年代に星の中でもっとも明るい一等星であるシリウスのごとく燦然と白く輝き、以後衰退を続けて赤き一等星の中の老星・ベテルギウスのようになったのである。
そして、今も人を惹ひきつける都市ではあるが、正直この街の混雑度合、競争の激しさに精神をやられてしまった人はそこそこいるのではなかろうか。
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