Nレース、Nペダル、Nドリフト・オプティマイザー、Nトルクディストリビューション……と、Nの名がつく制御や機構・機能は、枚挙にいとまがない。
中も「Nロードセンス&トラックSOC」は、2つの機能からなる。「Nロードセンス」は、ナビとドライブモードを連動させ(欧州仕様)、片側2車線のワインディングロードに入ると、スポーティな「N」というドライブモードが作動する。
「トラックSOC:State-Of-Change」はサーキット走行時、周回ごとにバッテリー消費を計算しつつ、冷却などを含めて常にバッテリーが高性能を発揮できるような状態を保つ機能だ。
その気になれば「慣れていない人でもドリフト走行を楽しめる」(前出のビアマン氏)という「ドリフト・オプティマイザー」のおかげで、リアがすーっと外に膨らんでいく走りも味わる。
これを、「ドライブゲームのような感覚」といってしまうと身もふたもないが、とにかく“曲がる”のが楽しい。
「最高速を競っても限界があるのでしょうがない」とは、かつてランボルギーニのエンジニアリング・トップが語ってくれたこと。たしかに“曲がる”ほうなら、速度に関係なく自分のペースで楽しめる。知人から聞いたところによると、その人の友人のフェラーリ乗りが、早くもIONIQ 5 Nの予約を入れたとか。
ニッチか? それとも先手なのか?
「BEVのニッチをしっかり掴んでいる」と、いえるかもしれない。いや、ニッチ(すきま)でなく、意外に大きな可能性を秘めた「マーケットに先手を打つモデル」といったほうが、より正確だろうか。
価格は本国では税込み7600万ウォン(約880万円)。日本には、ヨーロッパと北米に続いて、2024年上半期にお目見えとのことだ。そのあと中国が続く。
ニッチなようで、世界戦略車。ヒョンデの新たなる”本気“を垣間見た。
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