650馬力「IONIQ 5N」でヒョンデは何を目指すか? オソロシイほどの走りが見せる「新たな顔」

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ベース車に対して、車高を20mm下げ、275/35R21サイズのピレリPゼロタイヤを収めるため、全幅は50mm拡大。さらに全長は50mm延長されている。ボディ各所には、空力付加物も備わる。

リヤのディフューザーはさながらカーレースのマシンのようだ(写真:Hyundai Mobility Japan)
リヤのディフューザーはさながらカーレースのマシンのようだ(写真:Hyundai Mobility Japan)

白状すると、私はベースのIONIQ5を日本で乗ったとき、3000mmのロングホイールベースもあいまって、やや持て余し気味に思うこともあった。

しかし、5Nの性能ぶりには、さらにサイズアップしたボディもふさわしいとすら感じた。フェラーリに対して「幅が広すぎるし、車高も低すぎる」と言わないのと同じように――。

まるでエンジン車のようなフィーリング

はたして、最高出力478kW(650馬力)/最大トルク740Nmものパワーを持つ5Nのサーキットでの走りは、オソロシイほどだった。

「日常使いできるスポーツモデル」というのも5Nが持つ重要なキャラクターの1つではあるが、ステアリングホイールにつく「N」のボタンを押すと、サーキットのほうが“より向いている”と思えるほどのキャラクターに豹変する。

2つの「N」ボタンがつくステアリングホイール(写真:Hyundai Mobility Japan)
2つの「N」ボタンがつくステアリングホイール(写真:Hyundai Mobility Japan)

このとき、ヒョンデのガソリン「N」モデルを模したというサウンドが車内に響き、さらにツインクラッチ変速機のモデルに乗っているような、段付きの加速感(疑似的なものだが)が体感できる。それでますますドライブしている私は興奮してしまう(0-100km/h加速は3.4秒!)。

コーナー手前でアクセルペダルに載せた足の力を緩めて減速していくときも、よく調整された段付き変速機がシフトダウンしていくようなトルク感のフィーリングが得られる。

「曲がること」がこれほど楽しいEVがあ「曲がること」がこれほど楽しいEVがあっただろうかとまで思う(写真:Hyundai Mobility Japan)「曲がること」がこれほど楽しいEVがあっただろうかとまで思う(写真:Hyundai Mobility Japan)
(写真:Hyundai Mobility Japan)

走行状態に合わせて4輪の減速を制御するトルクベクタリング機構の恩恵もあり、コーナーの多いサーキットにもかかわらず(しかも、走行するのは初)、自分の腕前がいきなり上がったような錯覚を覚えた。

次ページとにかく“曲がる”のが楽しい
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