OpenAIと組む「UAE企業」米政府が危惧する理由 裏にいる中国に技術を吸い上げられている?
アラブ首長国連邦(UAE)の国家安全保障顧問タフヌーン・ビン・ザーイドが6月にホワイトハウスを訪問した際、アメリカの国家安全保障担当大統領補佐官ジェイク・サリバンはあるデリケートな問題を持ち出した。
秘密主義的なタフヌーンが支配下に置く人工知能(AI)企業「G42」のことだ。アメリカ当局は、G42が中国との協力関係を隠していると考えている。
G42に関する懸念すべき報告
公には、G42は定期的に報道発表を行い、驚異的な成長を世の中に示している。その中には、アストラゼネカのようなヨーロッパの巨大製薬会社との契約や、あるシリコンバレー企業と締結した、「世界最大のスーパーコンピューター」になると豪語するものを構築する1億ドルの契約が含まれる。10月には、ChatGPTを開発したOpenAIとの提携を発表した。
だが、アメリカの機密情報ルートからは、G42に関して懸念すべき報告が上がっている。中央情報局(CIA)をはじめとするアメリカの諜報機関は、アメリカ当局が安全保障上の脅威とみなす中国の大手企業とG42の協力関係について警告を発してきた。そうした中国企業の中には、アメリカの制裁対象となっている通信大手ファーウェイも含まれる。