OpenAIと組む「UAE企業」米政府が危惧する理由 裏にいる中国に技術を吸い上げられている?
アメリカ当局は、G42を通じてアメリカの先端技術が中国企業、もしくは中国政府に流出しているのではないかと懸念している。諜報機関の報告書では、G42と中国企業との取引が流出経路となることで、何百万人というアメリカ人の遺伝子データやその他の情報が中国政府の手に渡っている可能性があるとも指摘されていると、報告書をよく知る2人の政府関係者が明かした。
アメリカの政府関係者によると、CIAはG42のCEOペン・シャオの極秘扱いのプロフィールまで作成したという。シャオはアメリカで教育を受けた後、アメリカの市民権を捨ててUAE国籍を取得した。シャオに関するCIA報告書の結論は明らかになっていない。
アメリカ側がUAEにした「警告」
6月にホワイトハウスで行われたタフヌーンとの会談や昨年行われたその他の協議の場で、バイデン政権はG42の経営体制に懸念を表明し、中国の企業や機関との関係を断ち切るよう強く求めたと、協議に通じた十数人の消息筋が語っている。
アメリカ側は、G42に対し制裁を科す見通しさえ示してきた。バイデン政権のG42に関する懸念と、UAEに圧力を加える動きを報じるのは、この記事が初めてとなる。
機密性の高い新興技術について、UAEはアメリカと中国のどちらかを選ばなければならない——。アメリカ当局はUAE側にそう伝えている。
アメリカは何年も前から、中東に対する中国の影響力を抑え込もうとしてきた。アメリカ当局は、中東地域に軍事基地を建設し武器を販売しようとする中国の動きを、国家安全保障上の緊急課題と考えている。